今回は「継続的統合」
「はじめて使うJazz」シリーズも、はや3回目。読者の皆さん、Jazz.netサイトからダウンロードして実際にお試しになってますか? こうして回を重ねる間にも、Rational Team Concert(以下、RTC)の日本語化作業は着々と進んでいます。第1回の頃は、日本語化マイルストーン1というバージョンが公開されていましたが、本稿執筆時点でマイルストーン2を経て、既にリリース候補版(RC0)になりました。
さて、3回目のテーマは、ソースコード管理とビルド管理です。RTCにはSubversionと同種のソースコード管理に加え、ビルド管理の仕組みも組み込まれています。それらを組み合わせて、アジャイル開発で言うところの「継続的統合(CI:Continuous Integration)」環境を組み上げよう! というのが、今回のお題です。
RTCのソースコード管理には、アジャイル開発を意識した独特の機能が組み込まれています。このことが、CVSやSubversionに慣れた開発者にとっては、分かりづらいと思われてしまうのも事実です。
そこで今回は、
- まずは、ソースコード管理周りの基本を理解する。
- ビルドものぞいてみる
- アジャイルっぽくCIしてみる
と、3段階で話を進めていこうと思います。
マニアックな深みにはまらないよう注意しつつ、話を進めましょう。
まずはJazzのソースコード管理の基本を理解する
本シリーズの第1回目で、既にプロジェクトをソースコード管理に登録するまでの手順を説明しました。ちょっと流れをおさらいして見ましょう。忘れてしまった方は、第1回目をブラウザの別ウィンドウで見つつ読み進めてください。
- ステップ0:
普通にEclipseのプロジェクトを作る(連載では、「HelloJazzWorldプロジェクト」を作りました)。 - ステップ1:
Eclipseの[プロジェクトの共用]機能を呼び出し、リポジトリー・タイプとして[Jazzソース管理]を選択する。 - ステップ2:
「コンポーネント」を指定します(図1)。
ステップ1までは、Subversionを利用した場合と同じ流れなので違和感がないと思いますが、ステップ2に入ると、いきなり「じゃず・わーるど」に突入しています。
「既存リポジトリー・ワークスペース内のコンポーネントの選択」という文を理解するところから始めましょう。