ムラタセイサク君の活用事例
デビューしたムラタセイサク君は、プロジェクトの目的通り企業キャラクタとしても活躍を果たしています。海外でもTIME誌のベスト発明賞2006に選ばれたり、携帯ストラップなどさまざまなキャラクタ商品も製作されています。
また、小中学校や専門学校、大学などでムラタセイサク君を使った講演や、科学館へのイベントなど延べ日数で年間で400日以上の出張をしています。広報の狙い通り企業CMでも活躍しています。「セイサク君の愛される篇」バージョンでは、女の子が「ムラタセイサク君、好き」というと、ムラタセイサク君が女の子を見つめ返します。実は、ムラタセイサク君の目のLEDがモールス信号になっていて、「Me too」と返事しているそうです。このCMは、村田製作所のサイトから見ることができるので、ぜひチェックしてください。
現在、村田製作所では、コーポレートメッセージとして「理科は好きですか?」をキャッチコピーに理科教育に力を入れています。
ものづくりの喜びを伝えたい
この理科教育への取り組みは、ひとつは企業の社会的責任から子ども達の理科離れ防止をなんとかしたい、製造業としてものづくりの喜びを伝えたい。そして、ムラタセイサク君を通して若年層に新しい村田製作所ファンを創出し、将来の社員やお客様として育てていきたいという思いが込められています。
子ども達には、ムラタセイサク君はとても人気があり、授業では「かわいい」「ほしい」「楽しかった」という声が寄せられるそうです。
吉川氏から子ども達に「ムラタセイサク君はなぜ倒れないか分かる?」と質問すると、「タイヤが四角になっている」「磁石でくっついている」という子どもらしい発想の中に、ませた子どもが「コンピュータで計算しているから、当たり前だよ」と言うこともあるそうです。
実際その通りなのですが、吉川氏が「コンピュータは最初から何でもできるわけではなくて、人が制御するプログラムを作って初めてできるようになるんだよ」と伝えてもなかなか理解してもらえないというのが目下の悩みだそうです。
子ども達からムラタセイサク君へのリクエストは、「自転車から降りてほしい。ケンケン乗りをしてほしい」「一輪車に乗って欲しい」だけではなく、自転車から離れて、「空を飛んでほしい」、「泳いで欲しい」ととどまるところを知りません。
それに対して吉川氏は、「今は、まだ全然できないけれど、君たちが大人になった時は実現できるかもしれない。一生懸命勉強して、研究者になって夢を叶えてほしい」と伝えているそうです。
「興味」から「経験」へ ~未来の技術者を創出する
このように今は、ムラタセイサク君の実演を通じて、子ども達の興味や関心を掘り起すフェーズにあります。今後の展望としては、興味を持った人を対象に実験や体験を通じて、技術に直接触れる場を提供していきたいと考えているといい、「興味」から「経験」へ発展させ、学習を深化させてくのを目標としています。
吉川氏は、「機構、電機、ソフトの要素技術がすべて積み込まれているロボットは組込み教育に最適だと感じている」と言います。まずは、村田製作所が得意とするセンサー機能の学習教材から順次立ち上げていきたい。そうして組込み技術者のタマゴを創出し、未来のものづくりへ貢献していきたいと語り、講演を締めくくりました。



