フリーな百科事典プロジェクト「Wikipedia」(ウィキペディア)などを運営するウィキメディア財団は5月21日(現地時間)、プライマリーのライセンスをGNUフリー文書利用許諾契約書(GFDL)からクリエイティブコモンズ「表示-継承」(CC-BY-SA)に移行すると発表した。GDFLもサポートされ続け、デュアルライセンスとして運用される。
フリーな百科事典プロジェクト「Wikipedia」(ウィキペディア)などを運営するウィキメディア財団は5月21日(現地時間)、プライマリーのライセンスを GNUフリー文書利用許諾契約書(GFDL)からクリエイティブコモンズ「表示-継承」(CC-BY-SA)に移行すると発表した。GDFLもサポートされ続け、デュアルライセンスとして運用される。
ウィキペディアのライセンスを変更する提案については、コミュニティによる投票が4月12日から5月3日にかけて行われた。公開された投票結果によると、有効投票数17,462のうち、75.8%が「賛成」に投票し、さらに「意見なし」を除くと賛成が87.9%(有効投票数15,071票)となった。この投票結果を受け、ウィキペディア創設者であるジミー・ウェールズ氏を含む7名の理事会(Board of Trustees)で、変更が可決された。
今後は、6月頭に規定の最終版と移行の手順が発表され、6月末には英語版ウィキにおいて著作権表示と利用規程が更新され、非英語版のための翻訳ガイドラインが発表される予定となっている。
ウィキペディアプロジェクトは、クリエイティブコモンズが誕生する前から活動していたため、ドキュメントのライセンスとしてGFDLを採用していた。GFDLには、ライセンスを継承することのほか、ライセンス全文を添付すること、改変履歴をすべて添付することいった再配布条件があり、ウィキペディアコンテンツの再利用を難しくさせていた。
このため、インターネットでのコラボレーションによるコンテンツ制作に、より適したクリエイティブコモンズ・ライセンス(CC)を適用したいという動きがあり、2007年12月にはウィキメディア財団とクリエイティブコモンズ、そしてGFDLを管理するフリーソフトウェア財団(FSF)が、ライセンス移行の方向で合意していた。約1年後の2008年11月に、FSFが期限付きでCCへの移行を認めるGFDL 1.3をリリースしたことを受け、ウィキメディア財団では具体的な議論を進めていた。
【関連リンク】
・Press releases/Dual license vote May 2009 - Wikimedia Foundation
・ライセンスの更新/結果/日本語訳
・Wikimedia Foundation board approves license migration - Creative Commons -
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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