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ComponentZine(MultiRow)

社員向け企業内融資の計算を行うアプリケーションを作成する

MultiRow for Windows Forms 6.0Jで多機能な入力フォームを実現する

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ヘッダーセクションの作成

 まずは、ヘッダーセクションを作成します。ここには、融資を申請する社員の職員番号、氏名、所属、メールアドレス、申請書番号、申請年月日を入力します。

 これらのセルは列見出しにはならないので、GcMultiRowコンポーネントのLabelCellとTextBoxCellで構成します。

 TextBoxCellは、MultiRow for Windows Forms 5.0Jとの互換性を考慮し、デフォルトではヘッダーセクションでの入力機能はオフになっています。これを有効にするには、ColumnHeaderSection.SelectableプロパティをTrueに、ColumnHeaderSection.ReadOnlyプロパティをFalseに設定します。ヘッダーセクションでデータの入力ができるようになるので、前回のアプリケーションのように標準コントロールを組み合わせる必要はなくなります。

 ヘッダーセクションはいくつも作成したり、背景色などを個々に設定したりできるため、「入力エリアを分かりやすくするためにブロック化して区切る」といったことも可能です。

背景のグラデーションの作成

 次に、セルのスタイルを変えて、背景をグラデーションで塗りつぶします。この機能もバージョン6.0から導入された機能で、グラデーションの色、形状、方向を設定できます。

 設定は簡単で、設定したいセルを選びプロパティウィンドウで「Style」プロパティを展開し、「GradientColors」プロパティでグラデーションに使用する色を選択します。

 プロパティの値欄をクリックすると、「Colorコレクションエディタ」が表示されます。[追加]ボタンをクリックすると、次々とグラデーションに使用したい色が追加されるので、「Value」プロパティでカラーピッカーを使って色を選んで設定していきます。

 次に、「GradientDirection」プロパティでグラデーションの方向を、「GradientStyle」プロパティでグラデーションの形状を選びます。これらのプロパティの値はそれぞれ列挙体になっているので、使いたいメンバをプロパティ値のリストから選びます。

 これで、セルの背景にグラデーションが設定されます。

セルの背景にグラデーションが設定される
セルの背景にグラデーションが設定される
GradientDirection列挙体
メンバ名 説明
0 - Inherit プロパティは設定されておらず、親から値を取得
1 - Forward レンダリングパスの始点から終点に向かって色をグラデーションさせる
2 - Backward レンダリングパスの終点から始点に向かって色をグラデーションさせる
3 - Center レンダリングパスの中心から終点に向かって色をグラデーションさせる
4 - Side レンダリングパスの終点から中心に向かって色をグラデーションさせる
GradientStyle列挙体
メンバ名 説明
0 - Inherit プロパティは設定されておらず、親から値を取得
1 - None グラデーションスタイルがないことを指定
2 - Horizontal 水平方向に色をグラデーションさせる
3 - Vertical 垂直方向に色をグラデーションさせる
4 - DiagonalUp GradientDirectionの値に基づき、一方の隅から他方の隅に向かって色をグラデーションさせる
5 - DiagonalDown GradientDirectionの値に基づき、一方の隅から他方の隅に向かって色をグラデーションさせる
6 - CornerUp GradientDirectionの値に基づき、一方の隅から他方の辺に向かって色をグラデーションさせる
7 - CornerDown GradientDirectionの値に基づき、一方の隅から他方の辺に向かって色をグラデーションさせる
8 - Rectangular 矩形のパスに従って色をグラデーションさせる

セルスタイルの登録と適用

 複数のセルに同じスタイルを適用させたい場合は、セルスタイルに名前をつけて登録し、これを呼び出して使用できます。スタイルはいくつも作成できるので、いろいろなバリエーションのスタイルを用意しておいて、セルごとに使い分けることができます。

 セルの背景色のグラデーションも、あらかじめ名前をつけて登録しておけば、どのセルに対しても同じグラデーションで背景を塗りつぶせるので、とても便利です。

 セルスタイルに名前をつけて登録するには、[名前付きセルスタイル マネージャ ウィンドウ 6.0]を使用します。

 Visual Studioの[表示]メニューから、[その他のウィンドウ-テンプレート名前付きセルスタイル6.0]を選ぶと、「テンプレート名前付きセルスタイル6.0」ダイアログボックスが表示されます。

[その他のウィンドウ-テンプレート名前付きセルスタイル6.0]を選択
[その他のウィンドウ-テンプレート名前付きセルスタイル6.0]を選択

 [新しいセルスタイル]をクリックすると、スタイルを設定するためのプロパティウィンドウが表示されます。一番上に名前を付ける欄があるので、ここに名前を入力し、各プロパティを設定すればスタイルができあがります。プレビュー機能があるので、設定したスタイルをすぐに確認できます。

スタイルを設定するためのプロパティウィンドウ
スタイルを設定するためのプロパティウィンドウ

 ここでは、今行ったセルの背景にグラデーションを設定するスタイルを作成し、「水色のグラデーション」という名前で保存します。

 保存すると、「テンプレート名前付きセルスタイル6.0」ダイアログボックスにボタンとして登録されるので、適用したいセルを選択し、このボタンをクリックすれば作成したスタイルを適用できます。

適用したいセルを選択し、ボタンをクリックしてスタイルを適用
適用したいセルを選択し、ボタンをクリックしてスタイルを適用

 一度作成したスタイルは、設定を修正したりコピーしたりすることも可能です。

名前付きセルスタイルの編集メニュー
名前付きセルスタイルの編集メニュー

次のページ
Rowセクションでのデータ入力フォーマットの作成

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この記事の著者

瀬戸 遥(セト ハルカ)

8ビットコンピュータの時代からBASICを使い、C言語を独習で学びWindows 3.1のフリーソフトを作成、NiftyServeのフォーラムなどで配布。Excel VBAとVisual Basic関連の解説書を中心に現在まで40冊以上の書籍を出版。近著に、「ExcelユーザーのためのAccess再...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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