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スモールスタートできて、自在にスケール
コストや手間を最小限に抑える国産クラウド

「ニフティクラウド」担当者インタビュー

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2010/06/30 15:23

 ニフティが2010年1月から開始したクラウドコンピューティングサービス「ニフティクラウド」。VMwareで仮想化されたサーバー資源を利用でき、短時間で利用/停止できるオンデマンド性や、時間単位の従量課金、国内データセンターによる高いパフォーマンスなどを特長としている。5月末には200社の導入を達成した同サービスのメリットや導入事例について、営業本部サービスソリューション営業部の池川奈津子氏に聞いた。

ニフティ株式会社 営業本部サービスソリューション営業部 池川奈津子氏
ニフティ株式会社
池川奈津子氏

 ニフティが2010年1月から開始したクラウドコンピューティングサービス「ニフティクラウド」。VMwareで仮想化されたサーバー資源を利用でき、短時間で利用/停止できるオンデマンド性や、時間単位の従量課金、国内データセンターによる高いパフォーマンスなどを特長としている。5月末には200社の導入を達成した同サービスのメリットや導入事例について、営業本部サービスソリューション営業部の池川奈津子氏に聞いた。

 

国内利用に適した純国産サービス「ニフティクラウド」

 インターネットの向こう側で、サーバーリソースやアプリケーションサービスを利用できる「クラウドコンピューティング」。システムを所有することなく、必要なときに必要なだけ利用できるため、システム投資や設計/運用の負荷を軽減できるとして注目されている。不特定多数の利用者を対象としたクラウドは「パブリック型」と呼ばれており(特定の利用者を対象とするのは「プライベート型」)、この分野では、Amazonの「Amazon EC2」、Googleの「Google App Engine」、Microsoftの「Windows Azure」、Salesforce.comの「Force.com」などが有名だが、ニフティも2010年1月に「ニフティクラウド」を開始し、クラウドコンピューティング市場に名乗りを上げた。

安定したリソースを必要な時に必要な分だけ使える

 ニフティクラウドは、ニフティが構築・運営するサービス提供インフラを活用した、仮想サーバーの貸し出しサービス。同社では、2007年からデータセンターの仮想化に着手し、インターネット接続サービスである「@nifty」の新規サービスの95%(160サービス)がこのクラウド基盤上で運営されている。自社で運用実績を積み重ねた基盤を一般向けのサービスとして展開した形だ。

 セールスポイントは、ブラウザーで操作可能なコントロールパネルを使って最短5分でサーバーを準備できる『オンデマンド性』、CPU数やメモリ、OSなどを選べる『豊富なサーバー種別』、利用状況に応じて従量課金(1時間あたり12.6円から)と月額課金のプランを選んでコストを最適化できる『柔軟な料金体系』、@niftyの設備や運用ノウハウによる『高い信頼性』などが挙げられる。

 仮想サーバーと言うと、VPS(Virtual Private Server)も選択肢の一つとして考えられる。池川氏は「VPSとの違いは、オンデマンド性もありますが、やはり自由にサーバーのスペックを変えられる点です。『必要なときに必要なだけすぐに利用できる』ことが、クラウドの本質。従来のホスティングでは、最大負荷などを考慮して準備し、提供サービスの規模にかかわらずそれを維持しなければなりませんでしたが、ニフティクラウドなら、メモリやCPUのスケールアップ/ダウンや、サーバー台数の規模拡大/縮小(スケールアウト/イン)がオンデマンドで自由にできます」と語る。

参考:サーバータイプと料金体系1(Cent OSの場合/2010年6月17日時点)
サーバータイプ Mini Small Small2 Small4 Medium
CPU 1vCPU
(1GHz相当)
1vCPU
(3GHz相当)
1vCPU
(3GHz相当)
1vCPU
(3GHz相当)
2vCPU
(3GHz相当)
メモリ 512MB 1GB 2GB 4GB 2GB
HDD 30GB 30GB 30GB 30GB 30GB
従量課金の
場合(税別)
起動時 12円/h 22円/h 30円/h 42円/h 42円/h
停止時 5円/h 5円/h 6円/h 7円/h 7円/h
月額課金の
場合(税別)
7,500円/月 12,700円/月 17,280円/月 24,200円/月 24,200円/月
参考:サーバータイプと料金体系2(Cent OSの場合/2010年6月17日時点)
サーバータイプ Medium4 Medium8 Large Large8 Large16
CPU 2vCPU
(3GHz相当)
2vCPU
(3GHz相当)
4vCPU
(3GHz相当)
4vCPU
(3GHz相当)
4vCPU
(3GHz相当)
メモリ 4GB 8GB 4GB 8GB 16GB
HDD 30GB 30GB 30GB 30GB 30GB
従量課金の
場合(税別)
起動時 58円/h 80円/h 80円/h 110円/h 152円/h
停止時 8円/h 10円/h 10円/h 11円/h 12円/h
月額課金の
場合(税別)
33,400円/月 46,000円/月 46,000円/月 63,360円/月 87,550円/月

競合クラウドサービスとの違い

 また、揮発性のストレージを採用している競合のクラウドサービスの場合、スケールアップ/ダウンの際に、不揮発性のストレージにバックアップ後に一旦サーバーを消して、新しい構成のサーバーを立ち上げる必要があるが、ニフティクラウドの場合は、ストレージの内容はそのままで、スケールアップ/ダウン、スケールアウトが可能。サーバーの設定期間やサービス停止時間を大幅に短縮できるのは非常にうれしい。

 競合と比較したパフォーマンスについて池川氏は「データセンターは国内にありますので、国内からのサーバー利用ならネットワークのレスポンスが高いです。また、同一クロック周波数でのCPU性能も高いと自負しています」と話した。ニフティが測定した某大手A社との比較では、レイテンシーが10分の1(10倍のレスポンス)でCPU性能も約2.8倍の結果が出た。池川氏は、他社のクラウドサービスで動的なサービスを展開していた顧客が、レイテンシーの問題でサービス提供が難しくなり、ニフティクラウドに乗り換えて改善したという例もあったとした。

国産ならではの安心感・利便性

 パフォーマスもさることながら、日本語のインターフェイスで利用できるコントロールパネルも、英語が苦手な人にとっては魅力の一つだ。海外のクラウドサービスの場合、英語のインターフェイスで、操作に戸惑う人も多いのではないだろうか。このほか、国産クラウドならではの、日本法人向けの配慮という点では、請求書発行や、銀行振込と預金口座振替といった支払い方法も挙げられる。

 ブラウザーから利用できるコントロールパネルでは、サーバー管理、ディスク管理、ロードバランサー管理などのほか、料金明細やレポートの閲覧やサポート掲示板の利用もできる。新たにサーバーを作成する手順は簡単で、niftyの法人アカウントでログインし、サーバー種別を選択後、ウィザードに従ってOSや料金体系を選んだ後は約5分で稼動する。

コントロールパネルの様子
コントロールパネルの様子

ニフティクラウドの先行事例

 サービス開始から約4か月が過ぎた2010年5月末の時点で200社以上が採用したニフティクラウド。携帯キャリア公式モバイルサイト、ソーシャルアプリ、iPhoneアプリ、ECなどさまざまなウェブサービスの基盤として導入が進んでいる。

キャンペーンサイトで短納期・1/6のコスト削減を実現

 短期間で急激なトラフィック増が予想されるキャンペーンサイト。株式会社ポッケは、同社が提供するiモード公式コンテンツのキャンペーンサイトのインフラとして採用。1日だけのキャンペーンだが、docomoが提供するキャンペーンであったため非常に高い負荷が予想され、ホスティングではコストがかさむ。なおかつ掲載3週間前に実施が決まったため、納期も非常に短かった。海外のクラウドサービスとも比較し、コストや納期などを考慮の上ニフティクラウドを選択。結果、従来と比較してコストを1/6程度に抑えることができたという(詳細な資料を入手する)。

ソーシャルゲームアプリでのコスト最適化

 スケールアップ・スケールアウトの柔軟性が求められるソーシャルアプリは、クラウド利用が進む分野の一つだ。mixiアプリの基盤として導入したファンタムスティック株式会社では、海外のクラウドも含めて5社のサービスを比較検討した結果、スケーリング、レイテンシー、そして料金体系といった点が決め手となり、ニフティクラウドを採用。約2か月という短期間でソーシャルゲームアプリをリリースし、アクセスの増減に応じたスケーリングによりコストを最適化している(詳細な資料を入手する)。

iPhoneアプリをスモールスタートで提供

 スモールスタートが可能なインフラは、市場が拡大しつつあるiPhoneアプリの分野でも求められている。インターネットラジオのiPhoneアプリを提供する株式会社ニッポン放送では、コストを極力抑えてスタートできる点と、いつでも自由にスケールできる点に加え、著作権に配慮できる国内サービスという安心感もあってニフティクラウドを採用。配布開始からわずか3日でAppStoreランキング1位となり、3週間後には20万ダウンロードを達成した。Twitterなどで急激に利用者が増えていく過程で当初のスペックではさばけなくなり、開始から2週間後に即スケールアップした(詳細な資料を入手する)。

安定稼動が求められるECサイトでの導入も進む

 スモールスタートに加え、安定稼動が求められるECサイト。ベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレイン株式会社が支援する企業が展開するECサイトでも、柔軟な料金とスケーリングを理由に採用している(詳細な資料を入手する)。

 このほか、導入企業について池川氏に聞くと「現在のところ、新サービスのスモールスタートのニーズが最も多く、他社のクラウドからの乗り換えも徐々に増えています」と説明した。

ソーシャルアプリ開発も積極的に支援

 また、ニフティクラウドは、株式会社オプト主催のソーシャルアプリコンテスト(mixiアプリ、モバゲーオープンゲーム、モバイル版GREE向けソーシャルアプリ)の開発環境として協賛している。優秀アプリ賞の賞金は100万円。国内向けのソーシャルアプリを小さく始めて大きく育てるなら、ニフティクラウドがおすすめだ。

ニフティクラウドの今後

 導入のしやすさや柔軟性に富んだニフティクラウドは、更なるサービスの向上を目指す。今後はAPIの公開や、ファイアウォール管理、SSL証明書発行代行など、サービスを追加していく予定とのこと。最新のサービス内容や導入事例は、ニフティが公開している資料に詳しい説明が掲載されているのでぜひご覧いただきたい。

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著者プロフィール

  • 森 英信(モリ ヒデノブ)

    出版物やWeb・モバイルコンテンツの企画制作事業を手がける、株式会社エフエックスビイ代表。最近企画した書籍に『FFmpegで作る動画共有サイト』(毎日コミュニケーションズ)、『Flashでデザイン差がつくBlogサイトの作り方 2nd Edition』(アスキーメディアワークス)などがある。

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