本連載の目的
Javaの入門書だけでも多くの本があります。大きな書店に行けば入門書が山ほどあり、どれを買ったらよいか迷うのではないでしょうか。
最近はネットでの購入が増えてきていますが、店頭のように実際に手にとって内容を確認できません。一部のネットショップでは、目次や冒頭の章を閲覧できたり、他の人のレビューを読んだりすることもできますが、やはりそれだけで買うのは少し勇気が要ります。特に不景気な昨今、全部まとめてという買い方は到底できませんし。また、お薦めリストのようなものもネットには存在しますが、根拠に乏しいという感が拭えないのが現状です。
このような経緯があり、購入に役立つ具体的な情報を提供できればという思いでブックガイドを作成しました。
蛇足になりますが、入門編以外にも、マルチスレッド編、コレクション編、Web編などや英語本の入門編も企画しています。
対象読者
本連載は、ボリュームの関係で前編(入門編)と後編(オブジェクト指向編)の2つに分けて紹介します。
前編(入門編)
前編では、Javaだけでなくプログラミング自体が初めてだという方を対象にします。また、Javaのプログラミング経験はあるけれどもイマイチ理解が不足していると感じている方、品質が悪いと叱られた方なども対象に入ります。
後述の表1でJava入門書を比較しており、評価項目を列挙しています。その中に知らないまたは理解していない項目が多い人も、再度基本を固めるという意味で対象者と考えてください。
後編(オブジェクト指向編)
後編は、Javaを使ったオブジェクト指向編という位置づけです。対象となるのは、学校でJavaを勉強したが実務経験がない方、オーバーロードやオーバーライド、ポリモルフィズム、例外処理が正確に理解できていないと感じている方を対象とします。
紹介したい本
ぜひ紹介したいと考えた本が以下の6冊です。2と3、5と6は同じ著者のもので、入門編とオブジェクト編に分かれています。都合、4名の方に絞らせてもらいました。
- 『明解Java 入門編』
柴田望洋 著、ソフトバンククリエイティブ、2007年8月
- 『改訂第2版 Java言語プログラミングレッスン (上) Java言語を始めよう』
結城浩 著、ソフトバンククリエイティブ、2005年10月 - 『改訂第2版 Java言語プログラミングレッスン (下) 』オブジェクト指向を始めよう
結城浩 著、ソフトバンククリエイティブ、2005年10月
- 『やさしいJava 第4版』
高橋麻奈 著、ソフトバンククリエイティブ、2009年9月
- 『わかりやすいJava入門編』
川場隆 著、秀和システム、2009年10月 - 『わかりやすいJava オブジェクト指向編』
川場隆 著、秀和システム、2010年3月
これ以外にもよい書籍はありますが、実務に耐える準備をするには表1(後述)の評価項目が多く満たしたものが望ましいと考えています。その理由については後述します。
もし、すでに何かしらのJava入門書をお持ちでしたら、これから紹介する本を新たに追加することで、一層理解が深まることでしょう。