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実例で学ぶ脆弱性対策コーディング

TIFFライブラリに潜む脆弱性をつぶすパッチ(その2)

実例で学ぶ脆弱性対策コーディング 第6回


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プログラムのクラッシュは脅威

 この脆弱性はプログラムのクラッシュがきっかけで発見されました。プログラムがただクラッシュするだけで任意のコード実行ができないのであれば、大した問題ではないのではないか? という意見もあるかと思います。しかし、今回のようなライブラリにおけるクラッシュの問題は、見過ごすことのできない重大な問題です。

 広くさまざまなソフトウェアで利用されるライブラリが原因でプログラムがクラッシュする場合、問題の部分がどのように使われているかによって、その影響がどのような形で現れるかが変わってきます。ライブラリが画像処理サーバやWebアプリケーションなどで利用されている場合、単なるプログラムのクラッシュが企業のビジネスやサービスを停止させるほどの悪影響を及ぼす問題にも発展しかねません。

 今回の問題が発生した原因は、符号付きデータと符号無しデータが混在した形の演算を行ったことにあります。プログラムを開発する際には、整数演算において符号の有無が混在しない形にするよう心掛けてください。また、どうしても混在した演算をしなければならない場合には、整数演算における型変換に関するルールを思い出し、プログラムの挙動を確認してください。

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この記事の著者

久保 正樹(JPCERT コーディネーションセンター)(クボ マサキ(JPCERT コーディネーションセンター))

脆弱性アナリストJPCERTコーディネーションセンター慶応義塾大学環境情報学部卒。ソニーでデスクトップPCのソフトウェア開発に携わったのち、米国ダートマス大学にてオーディオ信号処理、電子音響音楽の研究を行い、電子音響音楽修士を取得。2005年4月よりJPCERTコーディネーションセンターにて、脆弱性...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/5348 2013/11/06 13:23

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