Shoeisha Technology Media

CodeZine(コードジン)

特集ページ一覧

MSDNフォーラムから見るAzure開発のノウハウ(2)

Windows Azure Tips - 米国MSDNフォーラムウォッチング

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2010/12/20 14:00

 本連載では、USのMSDNフォーラムから筆者がこれは面白いと判断したものやFAQとしてぜひとも日本で紹介したいものを独断と偏見でレベル分けをした上で、質問を再構成して内容やポイントを解説しています。今回は特に大きな出来事としてPDCで最新機能が発表されたこととMS Tech Talk・Windows Azure Platform SupportというアカウントによるFAQがされ始めたのでこの2つに注目して紹介してきます。

目次

はじめに

 10月末の米国PDCにおいて、Windows Azureに関して大幅な変更が発表されました。多くの注目の機能が提供されてきたことで、USのフォーラムでもPDCの前後でかなり質問と回答が変化していました。また、フォーラム自体が分割されたためか質問の量がますます増えてきて、Windows Azureの注目度がさらに上がっている印象です。

 また、今回はMS自身もMS Tech TalkというアカウントとWindows Azure Platform Supportというアカウントを設置して、FAQ的な質問と回答を大量に寄せていました。

 日本のフォーラムも質問が増えてきた印象で、Azureの期待がさらに高まってきていると思われます。ただ、日本のフォーラムの場合はかなり高度な内容がやりとりされていて、USのようにもう少し気軽に質問できる場所であってほしいと著者は思っています。

 本連載では、USのMSDNフォーラムから筆者がこれは面白いと判断したものやFAQとしてぜひとも日本で紹介したいものを独断と偏見でレベル分けをした上で、質問を再構成して内容やポイントを解説しています。今回は特に大きな出来事としてPDCとMS Tech Talk・Windows Azure Platform SupportによるFAQがありましたのでこの2つに注目して紹介してきます。

【免責事項】

 MSDNフォーラムの内容や回答は正確性が保証されたものではありません。筆者側でできる限り内容の精査を行って紹介していますが、著者、MSDNフォーラムともに正確性を保証するものではないことをご承知おきください。

1)PDC Hopes

  • 質問:

     PDCで期待している機能はなんですか?[初級][開発]

  • 回答:

     分散キャッシュ機能や、tableの機能拡張や、新しいSDKの提供や、VMロールや、MapReduceや、新しいサービスモデルなどを期待しています。

  • 解説:

     PDC当日の朝に投稿された記事でした。米国でも非常に楽しみにしている様子が伺えます。PDCの後でも投稿が追加されていて、エンハンス内容をまとめたスライドの画面キャプチャを貼りつけている方もいました。その内容を元に追加機能を解説していきます。なお、現在β版として提供されているExtra Small Instance・Azure Connect・VM RoleはAzurePortalから登録することで使用可能になりますが、申し込み多数により利用可能になるまでかなりの時間がかかっているようです。

    • Extra Small Instance

       これは、今までのSmall Instance($0.12/hour)の半額以下($0.05/hour)で提供されるインスタンスになります。さらにスモールスタートが切れるようになるとともに、テスト用途などのために実際のWindows Azure環境をさらに使いやすくなった印象です。現在β版が提供されています。

    • Remote Desktop

       稼働中のアプリケーションに接続して、実際のWindows Azureの環境での稼働状況をモニタリングしトラブルシュートが行えるようになりました。これまではインテリトレースを使用してしか実際の状況を調べることができなかったため、トラブルシュートが非常に大変でした。その点が改善されることが期待できるため非常に楽しみです。AzureSDK1.3から使用可能になりました。

    • Full IIS

       今まではIISの機能が一部しか使用できませんでした。そのため、例えばSilverlightのスムースストリーミング機能を使用したい場合も特殊なやり方を行う必要がありました。またリアルタイムでの配信はできませんでした。そういった問題点が改善できることを期待しています。AzureSDK1.3から使用可能になりました。

    • Virtual Network

       Windows Azureで提供されるネットワーク制御機能の総称です。最初に提供されるのはこれまでコードネームSydneyと呼称されてきたWindows Azure Connectです。これはオンプレミスとWindows AzureをIPベースで連携させる機能で、Windows Azureをイントラネットのようにセキュアに利用できるようになると期待しています。現在CTP版が提供されています。

    • Elevated Privileges

       アプリケーションの開発・管理をより柔軟に管理する機能です。一種の特権モードになります。IISの設定やMicrosoft Software Installer(MSI)でのインストールなどが可能になります。これもFull IISとともにコンピュート インスタンスを柔軟に使用できるようになるだろうと期待しています。個人的にはこの機能が一番PaaSの特徴を色濃く残して柔軟にアプリケーションを管理できる追加機能だと思っています。AzureSDK1.3から使用可能になりました。

    • Windows Server 2008 R2 Roles

       こちらは言及がほとんどなかったのですが、Azure OSが現在Windows Server 2008ベースだったものがWindows Server 2008 R2ベースにアップグレードされるのではと考えています。

    • Multiple Administrators

       現在1つのLiveIDでしかAzure Portalサイトにアクセスできませんが、複数のLiveIDで同一のAzure Portalサイトにアクセスできるようになります。これにより、LiveIDの管理がしやすくなるのではと期待しています。AzureのPortalサイトの更新により使用可能になりました。

     これらの機能は徐々にリリースされていきますが、これまで不満に思っていた箇所をかなり解消できますので筆者は非常に楽しみにしています。


  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

    静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。 主な著書に「入門シリーズ(サーバサイドAjax/XMLD...

  • WINGSプロジェクト bird982000(bird982000)

    <WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂...

バックナンバー

連載:Windows Azure Tips - 米国MSDNフォーラムウォッチング
All contents copyright © 2005-2018 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5