はじめに
都道府県の白地図上に、地域別になんらかのデータ(人口や売上など)を表示したい、と考える人は多いのではないでしょうか。
なぜならデータを地図上に表現することは、直感的でわかりやすいものだからです。実際、都道府県の白地図にグラフなどでデータの量を表現した図は、日常の様々なところで見かけると思います。
NetAdvantage for Silverlight Data Visualizationのコントロールの1つであるXamMapを使うと、そのような地図アプリを簡単に構築することができます。
本稿では、XamMapの利用方法を、都道府県の白地図に人口のデータを表示するサンプルのアプリケーションを開発しながら解説します。
対象読者
Visual Basic 2010またはVisual C# 2010でSilverlightアプリケーションを開発した経験がある方。
必要環境
Visual Basic 2010、Visual C# 2010以降の開発環境。今回のサンプルは原稿執筆時の最新バージョンであるVisual Studio 2010 Ultimate、.NET Framework 4にて作成しています。また、Windows 7 Ultimate(64ビット)において動作を検証しています。
SQL Server 2008 R2またはSQL Server 2008 R2 Express Edition(with Management Tools)。
またXamMapを利用するため、NetAdvantage for Silverlight Data Visualization:http://jp.infragistics.com/dotnet/netadvantage/silverlight/data-visualization.aspxが必要となります。こちらは有償の製品ですが、20日間すべての機能を使用できるトライアル版としてインストール可能です。
XamMapの概要
XamMapは、NetAdvantage for Silverlight Data Visualizationで提供されるコントロールの1つです。
XamMapを利用すると、Silverlight上に地理データを表示し、さらにパン、ズーム、マウスオーバー、ツールチップなどリッチな操作ができる地図を提供できます。
サンプルアプリで利用しているXamMapの機能
本稿のサンプルは、都道府県の白地図に、都道府県別に人口の多さを円で表示するアプリケーションです。
このサンプルで利用しているXamMapの機能は以下です。
機能 | 説明 |
データバインディング | SQLサーバーに格納した都道府県の白地図の地理データを表示する |
カスタマイズしたシンボル | SQLサーバーに格納した都道府県別の人口数に応じたシンボル(円)として表示する |
ツールチップ | シンボル上に都道府県名と人口を表示するツールチップを表示する |
XamMapを利用した地図アプリ開発
それでは、XamMapを利用した地図アプリ開発方法を解説します。はじめに開発手順の全体像を示します。
開発手順の全体像
- サンプル用のデータベースを取り込む
- Silverlightアプリケーションを作成する
- Silverlight対応WCFサービスをWebサイトに追加する。
- WCFサービスに、データベースから情報を取得するメソッドを定義する
- Silverlightアプリケーションに、XamMapを追加する
- XamMapにWCFサービスから取得した都道府県境データをレイヤーとして表示する
- XamMapにWCFサービスから取得した人口データをシンボルとして表示する
それではさっそく開発していきましょう。