SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

DeveloperZine(デベロッパージン)- エンジニアの意思決定を支える技術情報メディア ProductZine

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

リレーションシップ駆動要件分析による実践的な要件定義手法

レビューを軸に駆動する

リレーションシップ駆動要件分析による実践的な要件定義手法(6)

ツールを利用する

 「要件のツボ」にはRDRAベースで要件定義するための機能があります。この記事の中で扱ったことに関連する機能を以下に説明します。

目的を共有する

 プロジェクトの作業に方向性を持たせるためには、目的、概要をプロジェクトのメンバー全員で時折見直し、作業のベクトルをあわせることが大事です。「要件のツボ」はシステム化の目的や概要を登録することができ、登録された目的は画面上部に常に表示されるように配慮されています。この「常に見られるようにする」ということがとても大事です。プロジェクトリーダーは常に目につく機能を利用して、システムの目的とマイルストーンの目的、そして要件定義のゴールの3つの視点から作業のベクトルをあわせます。

マイルストーンを組立、共有する

 表1に示したマイルストーンの候補を参考に計画を組むとスムーズにマイルストーンが組めます。「要件のツボ」にはマイルストーンを組む機能(図3参照)があります。プロジェクトの要件定義工程の期間を考慮し、あらかじめ7つのマイルストーンの候補から適切なマイルストーンを組み立てます。マイルストーンには各々テーマが設定でき、設定したテーマは画面の上部に常に表示されいつでも参照できるようになっています。

図3 マイルストーンを組み立てる
図3 マイルストーンを組み立てる

全体を俯瞰する

 「要件のツボ」には全体を1つの画面で確認できるオーバービュー画面(図4参照)があります。各モデルの情報をカテゴリーに分類し適切な情報量に集約することで、1つの画面で全体を表現することができます。

 例えばアクターがたくさんいる場合はそのアクターを分類し、分類した名前でアクターを把握します。同じく要求も要求の種類ごとにまとめ、洗い出された要求の傾向をつかめるようにします。量が問題になったときはカテゴリーとして分類し、適切なカテゴリー名を付けることで見通しをよくします。

 このように全体を俯瞰できるように情報をまとめていくことで、大きなシステムでも全体像を容易に把握できるようになります。

図4 カテゴリで全体を把握する
図4 カテゴリで全体を把握する

レビューを支援するツール

 「要件のツボ」にはレビューを支援する「要件レビュー」機能もあります。レビューにおいて確認すべきことが一覧で示され、個々の確認項目について背景と確認事項、そして関連する定義内容が表示されます。これらを利用することでさまざまな視点から検証でき、レビュー漏れを少なくすることができます。

図5 レビュー支援
図5 レビュー支援

参考資料

 「要件のツボ:コミュニティエディション」はRDRAで要件定義を行える無料のツールです。「要件のツボ」のベースとなる「RDRA」を詳しく知りたい方は「要件定義マニュアル」を参照してください。手軽に「RDRA」の概要を知りたい方は「リレーションシップ駆動要件分析サイト」をご覧ください。

まとめ

 RDRAは要件定義を4つの視点で捉えています。そしてその視点ごとに定義すべき情報を定めています。それらの情報は相互に関係を持っており、その関係を頼りに網羅性や整合性を高めていきます。そのつながりを意識して作業を行う上でツールが重要な役割を果たします。

 RDRAはUMLツールを使っても「要件のツボ」を使っても定義できます。各々にメリット、デメリットがあり、プロジェクトメンバーのスキルに合わせて使い分けを行うことが大事です。普段からUMLを使い慣れている方はUMLツールを使って要件定義することを勧めます。一方普段ほとんどUMLを使っていない方は「要件のツボ」をお勧めします。

 どちらにしても要件定義の各情報をつなげて対象を掘り下げていくことに変わりはありません。要件を組み立てるためにさまざまな視点から対象をみることがRDRAの基本です。

 実際にRDRAを活用されている方はアクターからユースケースまでをRDRAをベースにまとめ、ユースケース以降は自分たちの慣れている方式でまとめられている方が多くいます。このように適用できるところから適用していくことが大事だと考えます。

 この連載を通して少しでも具体的な要件定義のイメージをつかんでいただければ幸いです。

この記事は参考になりましたか?

連載通知を行うには会員登録(無料)が必要です。
既に会員の方はを行ってください。
リレーションシップ駆動要件分析による実践的な要件定義手法連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

神崎 善司(カンザキ ゼンジ)

(株)バリューソース代表大手SIerにおいて大小10システム以上のプロジェクトリーダを勤め、20年ほど前に独立。2002年から5年間(株)豆蔵での社員も兼任しながら要件定義などの上流工程のコンサルティングを行う。2008年に要件定義手法「リレーションシップ駆動要件分析(RDRA)」を開発し現在はその...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/5989 2011/06/16 14:00

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー