GcBarCode、C1PdfDocumentコントロールについて
今回使用するGcBarCode、C1PdfDocumentコントロールですが、実はこれらのコントロールはいずれも過去の記事で取り上げ、コントロールの特徴について紹介しました。
それぞれ、コンポーネントスイートのバージョンは1つ前(PlusPackは5.0J、ComponentOneは2011J)のものですが、コントロールの基本性能は変わりませんので、コントロールの詳細はこれらの記事をご参照ください。
ここでは、GcBarCodeコントロールでQRコードを作成する方法と、C1PdfDocumentコントロールの概要について説明します。
GcBarCodeコントロールのQRコード作成機能
GcBarCodeコントロールは、バーコード生成コントロールです。チェックディジットの自動計算、サイズ設定や回転処理、データ連結など多彩な機能を備えており、数値と種類の指定のみで簡単にバーコードを出力することができます。また、解像度にあわせて最適なバーコードイメージを生成することにより、高い読み取り率を実現しています。
このコントロールの使用できる種類の一つに、QRコードがあります。QRコードは、縦横の2次元図形を使って情報を図形化したもので、数字で最大7089字、英数字で4296字、漢字で1817字まで図形化できます。
バーコードが専用のバーコードリーダーを必要とするのに対し、QRコードは携帯電話やスマートフォンなどの情報端末、パソコンなどで簡単に読み込むことができるので、ショップのWebアドレスやメールアドレスをQRコードで伝えるなど、商業サービスで広範に利用されています。
GcBarCodeコントロールでQRコードを作成するのはとても簡単で、フォームにGcBarCodeコントロールを配置し、「Type」プロパティを「QRCode」に設定します。そして、「Value」プロパティにコード化したいデータを文字列で設定するだけです。あとは、GcBarCodeコントロールが自動的にQRコードを作成してくれます。
作成したQRコードはGcBarCodeコントロールに表示され、そのコードをビットマップ形式、拡張メタファイル形式の画像に変換し保存することができます。画像作成時は画像解像度(DPI)を指定することができます。
このプログラムでは、作成したQRコードを一度ビットマップファイルに保存し、これをPDF文書に組み込むようにしています。
C1PdfDocumentコントロール
C1PdfDocumentコントロールは、.NET FrameworkアプリケーションからPDFドキュメントを作成するコントロールです。
PDFドキュメントを表示するアプリケーション「Adobe Reader」には印刷機能が組み込まれていますので、データをPDF化することで面倒な印刷処理をアプリケーション側で持つ必要がなく、PDFドキュメントを作成する処理だけを作ればよいので、開発の負担も軽くなります。
また、PDFファイルはデバイスやOSに依存しませんので、作成したPDFドキュメントはいろいろな場面で使用することができます。
C1PdfDocumentコントロールは、テキストだけでなく図形や画像などのグラフィックス要素も一緒にPDF化することができます。これらの描画メソッドの使用方法は、GDI+の各メソッドとほぼ同じであるため、GDI+を使ったことがある人はすぐにマスターすることができます。
各描画要素は、描画領域をRectangleF構造体で指定できるので、このメソッドを使ってレイアウトをデザインする、という使い方ができます。
作成するPDFドキュメントに対するプロパティ設定も制御できるので、ドキュメントプロパティのタイトル、作成者、サブタイトルなどを設定したり、コピー、編集、および印刷の許可・不許可設定やパスワード設定を行ったりすることができます。