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Webサービスのためのシステム・ベンチマーク入門

普及目前! 10Gigabit Ethernetの世界を知る

Webサービスのためのシステム・ベンチマーク入門(1)


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 本連載では3~5年先の未来に使われる技術を研究している、さくらインターネット研究所に蓄積された研究成果を元に、Webサービスで今後必要とされる技術ノウハウを紹介します。

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お知らせ

 8月1日開催のイベント「Developers Summit 2013 Summer」(夏サミ2013)で、10Gigabit Ethernetの実践的な使いどころのほか、さらにその先の40Gigabit Ethernetに関する考察も紹介されます。ぜひご参加ください!
 

はじめに

 Webサービスを取り巻く環境はクラウド・コンピューティングなどの出現で日々変化してきています。しかし着実な流れとして、既存のGigabit Ethernetの環境からより広帯域のネットワーク接続へと進んでいるのも事実です。仮想マシンとして動作するクラウド環境であれ、物理マシンで構成されたクラスターであれ、ネットワーク帯域の高速化はWebサービス全体にも大きな影響を与えます。

 ここでは、普及目前になってきた10Gigabit Ethernetの動作確認とベンチマーク方法などから、高速ネットワークの基礎を学んでいきます。

対象読者

 Webサービスの設計・構築・運用を行うシステム・エンジニア。

必要な環境

 Linux環境およびIntel x86システム。

ネットワーク・インターフェースの確認方法 

 10Gigabit Ethernetは、いままでと同じように取り扱うことができます。ipコマンドを使えば、システム上のネットワーク・インターフェースの状況が見えてきます。まずは、その使い方から見ていきましょう。

# ip link show
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 16436 qdisc noqueue state UNKNOWN
    link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP qlen 1000
    link/ether 00:25:90:9c:18:30 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
3: eth1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP qlen 1000
    link/ether 00:25:90:9c:18:31 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

 10Gigabit Ethernetがどのような接続方式をサポートするかは、ethtoolを使えば詳細を確認できます。

 SPF+コネクタを経由した光ファイバー接続、Twinaxケーブルや10GBASE-Tによるカッパー接続があります。カッパー接続など銅線を使ったものはケーブル長が短く、光ファイバー接続ではケーブル長が長いという特性があります。通常ラック内で利用する場合には、さほど問題になりませんが、複数ラックを跨ぐような10Gigabit Ethernet Switchとの接続の場合には、光ファイバー接続が必要です。

# ethtool eth0
Settings for eth0:
        Supported ports: [ FIBRE ]
        Supported link modes:   10000baseT/Full
        Supported pause frame use: No
        Supports auto-negotiation: No
        Advertised link modes:  10000baseT/Full
        Advertised pause frame use: No
        Advertised auto-negotiation: No
        Speed: 10000Mb/s
        Duplex: Full
        Port: Direct Attach Copper
        PHYAD: 0
        Transceiver: external
        Auto-negotiation: off
        Supports Wake-on: d
        Wake-on: d
        Current message level: 0x00000007 (7)
                               drv probe link
        Link detected: yes

 最近のネットワーク・インターフェースカードでは、NIC上でさまざまなオフロード処理を実現するための機構が搭載されています。TCPセグメンテーション・オフロード(TSO)や、ラージ・レシーブ・オフロード(LRO)などが、オフロード処理機構として一般的です。これらの機能をOnにすることで、トラフィック・パターンによってはネットワーク処理性能を向上させることができますので、適宜設定すると良いでしょう。またNIC上の各種オフロード処理は、ベンダーや製品により異なっていますので注意が必要です。

# ethtool -k eth0
Features for eth0:
rx-checksumming: on
tx-checksumming: on
scatter-gather: on
tcp-segmentation-offload: on
udp-fragmentation-offload: off
generic-segmentation-offload: on
generic-receive-offload: on
large-receive-offload: on
rx-vlan-offload: on
tx-vlan-offload: on
ntuple-filters: off
receive-hashing: on

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/7135 2013/07/19 12:25

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