2017年には業務アプリの90%がモバイル対応
Rosenbaum氏は、業務アプリケーションにおいてもスマートフォンやタブレットなど、モバイルデバイスの役割がますます重要になってきおり、2017年には業務アプリケーションのうち90%がモバイル対応したものとなるという。このときの問題は、業務アプリケーションにおいて、いかにモバイルとクラウド上のバックエンドシステムを統合させるかだとする。
そのため、Salesforceのプラットフォームもモバイルアプリケーション開発を支援するための機能が強化されたという。今回のカンファレンスでは、Summer ’13で発表された開発プラットフォームの新しい機能や、予定されているWinter '14の新しい機能を交えて、新しいモバイル業務アプリケーションの構築方法などを紹介すると述べ、また日本の開発者向けの新しいパートナーシッププログラムをスタートさせることも発表した。
基調講演で紹介されたSalesforce Platformの機能は、Chatter 4.0、Mobile Pack、Mobile SDK 2.0、Analytics API、SmartSyncなどだ。どれもモバイルアプリ開発に関連したもので、説明は、Quinton Wall氏(Salesforce Director Technical Platform Marketing)をメインに行われた。
Chatter 4.0は単なるフィードアプリから業務アクションのトリガーツールに
Chatterの新しいバージョンである4.0の最大の特長は、フィードの画面から商談などのレコードの登録、ファイルのダウンロード、コードの閲覧、データベースアクセスなどの各種アクションができるようになったことだ。これにより、従来の単にフィードを見るだけのアプリから、一般的な業務アプリと同等な機能を実現できる。
Mobile PackおよびMobile SDK 2.0は、Salesforceの開発環境でHTML5アプリ、ネイティブアプリ、両者のハイブリッドアプリの開発を容易にする。従来のVisualforceの中に、HTMLコード、CSS、PHP、JavaScriptを混在させることができる。これならば、Salesforceアプリ開発になじみがなくても、Webアプリやスマホアプリ感覚で業務アプリ、それもスマートフォンやタブレット向けのアプリケーションの開発がしやすくなる。
Analytics APIは、REST APIを利用して任意の分析ツール、グラフィックユーティリティなどからインタラクティブなレポートを作成するためのAPIだという。端末での表示はJSONを利用する。
SmartSyncは、オフライン状態の端末で行われたクラウド上のデータへの操作の動機を自動的に行うフレームワークだ。SDK 2.0からサポートされた機能で、モバイルアプリとバックオフィスシステムやデータベースをつなげるために重要な機能の一つといえるものだ。