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「AWS Summit Tokyo 2015」イベントレポート

クラウドが今や新常識になったことを示す8つのパターン
~「AWS Summit Tokyo 2015」基調講演レポート

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 AWSクラウドに関するさまざまな事例、最新技術、活用方法を紹介する技術カンファレンス『AWS Summit』。世界中をサーキットする当イベントの中でも世界最大規模を誇る『AWS Summit Tokyo』が今年もグランドプリンスホテル新高輪で開催されました。当エントリでは2015年6月2日に、アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 代表取締役社長 長崎忠雄氏がホストとなり、3人のゲストスピーカーを招く形で構成された基調講演の模様をレポートしたいと思います。

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Amazon創設者 ジェフ・ベゾスの描いたビジネスモデルとAWS

 まずはじめに、長崎氏は1枚のイラストをスクリーンに映し出しました。

 この写真は、あのAmazon.com創設者ジェフ・ベゾスが創業間もない頃に、紙ナプキンに書いたとされるAmazonのビジネスモデルを描いたものです(参考:アマゾンジャパンの新卒採用情報サイト)。「成長するためには顧客満足度が重要である。これなくしての成長はない。トラフィックが増えるとセラー(seller:売り手)が集まる。セラーが集まると選択肢が増えていく。ビジネスを始めた頃と比べると、今のAmazonのセレクションの豊富さは段違い。お客さまが喜んでいただけることで、さらにトラフィックが増えていく。重要なのは低価格体制であり、徹底的にコストを見直し、会社全体で取り組んで行っている」と、長崎氏は解説を行いました。

長崎 忠雄(アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 代表取締役社長)
長崎 忠雄(アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 代表取締役社長)

 Amazon.comは値下げにより顧客に還元を行い、さらなる満足度向上を推し進めてここまでの成長を遂げました。そしてAWSもまた、Amazon同様の手法を取り入れています。ここまでに48回の値下げを行い、スピードとイノベーションを兼ね備えた徹底したスケールビジネスを展開してきています。

 AWSは、Amazonのビジネス課題を解決するために生まれました。2000年前半頃にAmazonが目覚ましい成長を遂げている時期において「セレクションを増やしたい」という課題があったのですが、課題をこなすためには"あらゆるリソースやものが間に合っていない"状況でした。そんな中で考えだされたのが「インフラをソフトウェア化」するという手法です。これを推し進めることで、インフラのメンテナンスに割く時間を減らし、顧客の要望をかなえるための時間を増やすことができるようになります。AWSはこのような過程を経て、Amazonの成長と共にビジネスの課題を解決するため、ビジネスをより早く回すためにAWSは生まれました。

AWSにまつわる数字とAWSを支える人々の存在

 次いで長崎氏はAWSにまつわる数字、およびAWSの成長を支えるさまざまな顧客やユーザー、コミュニティの紹介を行いました。

 S3から始まったAWSのビジネスは今年で9年を数えます。全世界で併せて11のリージョン(地域)が存在し、リージョンは複数のAZ(Availability Zone:データセンターのクラスタ)で構成されています。複数で構成されているこのAZの仕組みを使うことで、サービスのより高い可用性を実現しています。そして、Amazon S3の利用料は102%の年間成長率です。EC2も93%の成長を遂げています。AWSにおけるアクティブユーザー(実際にAWSを利活用している顧客)は現在100万人を超えているそうです。

 顧客の業種・適用分野も、スタートアップからエンタープライズ、教育機関まで実に幅広いものとなっています。顧客のAWS利用を支える上では「APNプレミアコンサルティングパートナー」の役割も大きいです。現在日本ではNRI、クラウドパック、サーバーワークス、クラスメソッドの計4社が"クラウドに精通したパートナー"として認定されています。

 顧客との会話で「使っているソフトウェアがAWSに対応しているのかどうか」という問い合わせを受けることが多くなってきていたことを受けて、今回のイベントでは「ESP(Ecosystem Solution Pattern)カタログ」という冊子が作成されました。イベント会場内で無料で配布されているもので、対象製品150以上、総ページ数320という充実の内容です。長崎氏は「この冊子、ぜひご覧になってください。"この製品が入っていない"という場合は、ぜひ我々に声を掛けてください」と冊子の重要性・有効性をアピールしていました。

 ユーザーコミュニティの存在も特徴的であり、また貢献度で言えば非常に大きな部分を占めています。開発者やエンジニアには「JAWS-UG(Japan AWS User Group)」が、企業(CIO)向けには「Enterprise JAWS-UG」というコミュニティが存在し、日本全国で活発な活動が行われています。

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この記事の著者

しんや(シンヤ)

2010年末~2013年前半位までの期間で興味のある勉強会に頻繁に参加。参加してきた勉強会のレポートブログとTogetterをひたすらまとめ続け、まとめ職人(自称/他称含む)として暫く過ごしておりました。色々な縁あってDevelopers Summit 2013では『公募レポーター』も務めました。2013年05月『出張ブロガー』を経て2013年08月にクラスメソッド株式会社へ転職。現在は業務(AWS及びその周辺技術を扱う)の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8757 2015/06/04 14:00

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