エンタープライズモバイルでは中間サーバーの構築が重要
企業向けモバイルシステム構築では中間サーバーが定番
企業がモバイルデバイスを導入し、企業内のシステムにこれらのデバイスからアクセスできるようにする場合、中間サーバーの能力が重要になってきます。性能面、そして何よりセキュリティ面で、モバイルデバイスが直接企業のデータベースやバックエンドシステムに接続することはなく、通常中間サーバーを経由します。
中間サーバーは、モバイルデバイスからのリクエストを処理し、必要なデータを最も効率よくモバイルデバイスに返すだけでなく、ユーザーの認証やアクセス状況の記録、分析なども行う必要があります。
また、最近のモバイルアプリでは、プッシュ通知を使って、アプリを起動していなくても、ユーザーに通知を行えるようにしているケースが増えています。こうした機能を使おうとすると、iOS、Androidと複数のデバイスにまたがっている場合には、異なるプッシュ通知のサービスを使い分けなければならず、通知する側、つまりサーバー側で、使用デバイスごとに処理を切り分けるといった手間が発生します。
EMSによる中間サーバー構築
RAD Studio(DelphiおよびC++Builder)では、モバイル向けの中間サーバーを構築するミドルウェアとして「EMS(Enterprise Mobility Services)」を用意しています。EMSを用いれば、独自のRESTサービスを構築したり、Oracle、MS SQL Server、MySQLなど主要なデータベースにコネクションプーリングを使って効率的にアクセスしたりできるほか、ユーザー管理機能も利用できます。中でも、プッシュ通知のサポートは、ユーザー管理機能に統合されたデバイス認識機能を活用し、自動的にGoogleまたはAppleのサービスを利用します。
プッシュ通知を発行するアプリケーションの作成にも、コンポーネントを活用できます。TBackendPushコンポーネントは、プッシュ通知をEMSサーバーにリクエストするコンポーネントです。接続するEMSを設定すれば、わずか数行のコードです。