Windowsフォームビューワの設定
レポートが作成できたら、これをフォームで表示できるようにWindowsフォーム用ビューワを設定します。
(1)ツールボックスからViewerコントロールをフォームにドラッグ&ドロップします。そして、Dockプロパティを「Fill」に設定します。
(2)フォームのLoadイベントハンドラに次のコードを記述します。ページレポートのインスタンスを作成し、ViewerコントロールのLoadDocumentメソッドにそのインスタンスを設定して実行すれば、レポートがビューワで表示されます。
Public Class Form1 Private Sub Form1_Load(sender As System.Object, e As System.EventArgs) Handles MyBase.Load Dim file_name As String = "PageReport1.rdlx" Dim pageReport As New GrapeCity.ActiveReports.PageReport(New System.IO.FileInfo(file_name)) Dim pageDocument As New GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument(pageReport) Viewer1.LoadDocument(pageDocument) End Sub End Class
namespace ActiveReports9_Winform_cs { public partial class Form1 : Form { public Form1() { InitializeComponent(); } private void Form1_Load(object sender, EventArgs e) { string file_name = "PageReport1.rdlx"; GrapeCity.ActiveReports.PageReport pageReport = new GrapeCity.ActiveReports.PageReport(new System.IO.FileInfo(file_name)); GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument pageDocument = new GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument(pageReport); viewer1.LoadDocument(pageDocument); } } }
(3)アプリケーションを実行する場合は、licences.licxファイルにライセンスを記述する必要があります。ソリューションエクスプローラで「licenses.licx」をクリックして開き、以下の1行を追加します。
GrapeCity.ActiveReports.PageReport, GrapeCity.ActiveReports.v9
また、ページレポートのデザインファイルを、アップロードの実行フォルダに置く必要がありますので、デバッグで実行する場合は「PageReport1.rdlx」をexeファイルと同じフォルダにコピーします。
(4)アプリケーションを実行し、一人一人の給与明細が表示されることを確認します。
サーバーへの保存と読み出し
完成したページレポートを、ActiveReports Serverに保存します。また、新しいプロジェクトを作成し、このレポートを読み込んでみます。
(1)デザイナをデザイン状態にします。Visual Studioのメニュー「レポート」-「サーバーに保存」がアクティブになるので、これをクリックします。
(2)ActiveReports Serverに接続されていなければ、ユーザー名とパスワードを入力し、「接続」ボタンをクリックしてActiveReports Serverに接続します。
(3)「レポートの名前」に「給与明細」と入力して「保存」ボタンをクリックします。
(4)ActiveReports Serverにレポート名「給与明細」が表示され、サーバーに保存されたことが分かります。
右側のペインには、誰によってアップロードされたのか、更新日、作成日、作成者名、更新者名などレポートの改編履歴が表示されています。
(5)今度は新しいプロジェクトを作成し、そこにこのレポートを読み込んでみます。新しいプロジェクトを作成し、ページレポートを追加します。そして、Visual Studioのメニューから「レポート」-「サーバーから開く」をクリックします。
(6)「レポートの選択」にある「給与明細」をクリックして「開く」ボタンをクリックします。
(7)作成したページレポートがプロジェクトに組み込まれます。
まとめ
ActiveReports for .NET 9.0Jは、バージョンアップによってかなり強力な帳票作成コンポーネントになりました。特に本稿で紹介したページレポートのレイヤー機能は、帳票様式が複雑になればなるほどその有用性が高まります。いかにデザインしやすく、修正しやすいのかはアプリケーション開発の工期や工数に大きく影響します。その点では、このレイヤー機能は工期・工数の削減に大きく貢献できるのではないでしょうか。
開発プロジェクトの管理という点でも、ActiveReports 9.0J Serverが実装されたことで情報の共有化が図られ、より開発プロジェクトが進めやすくなっていくと思います。