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イベントレポート

Spring 5.0は来春リリース! クラウドネイティブ開発、マイクロサービス化など最新技術・事例にあふれた4日間

世界最大規模のSpring Frameworkイベント「SpringOne Platform 2016」参加レポート


2日目の基調講演「Springのロードマップ」

基調講演2日目のスピーカー
基調講演2日目のスピーカー

昨年のSpringOneでは、開発中のSpring 5のロードマップが初めて発表されました。 今年の開催2日目に行われた基調講演では、Spring開発リーダーであるPivotalのJuergen Hoellerさん(以下、Juergenさん)が再びSpring 5のロードマップを発表しました。

Spring開発リーダー Pivotal Juergen Hoellerさん
Spring開発リーダー Pivotal Juergen Hoellerさん

この発表によれば、Spring 5は次のような特徴を備えるそうです。

  • ノンブロッキングな処理を記述するのに適したプログラミングモデルであるReactiveプログラミングに対応し、最適化される
  • HTTP/2に対応する
  • Java SE 8以上、Servlet 3.1以上が動作必須条件であるなど、新しい世代の技術がベースラインとなっている

リリース時期はこれまで2016年末とアナウンスされていました。しかし、Java SE 9のリリースの遅延の影響を受け、次のように変更となったとのことです。

  • Spring 5.0のリリースは2017年1Q(1~3月)に延期(5月に開催されたSpring I/O 2016でアナウンス済み)
  • Spring 5.0リリース時点ではJava SE 9への完全な対応はしない
  • Spring 5.1でJava SE 9に完全に対応する(5.1のリリース時期は言及されず)
Spring 5のリリースが遅れることが発表された
Spring 5のリリースが遅れることが発表された

Spring 5の新機能については、具体的な情報が示されました。 いずれもSpringの根幹となっている機能に対しての改善なので 期待が高まります。 最新のコードベースを入手することで、それらの全貌が分かるかもしれません。

  • インデックス化や並列化によるBeanの生成・検知の最適化、柔軟性の高いBean登録方法の提供
  • HTTP/2やReactive Streamに対応したサーバ、クライアント実装手段の提供
  • ラムダ式などを活用した、サーバサイドエンドポイントの新しい定義方法の提供

Juergenさんの講演では、主にエンタープライズシステム開発者が気にかけているであろうSpring 4についての、 今後の開発やサポートの方針もアナウンスされました。 内容を要約すると、2016年6月にリリースされたSpring 4.3が4.xの最後のリリースであり、 2019年まではメンテナンスを続けるというものです。 Spring 4.xをメンテナンス期限以降も継続利用する場合は、バグや脆弱性が発見された際に利用者側で独自の対処が必要になります。

SpringはOSSであるため、誰でもバグや脆弱性に対処することができます。しかし、そのような対策が取れない場合、 メンテナンス期限内にSpring 5.xへの移行を検討する必要があります。

その他の基調講演

Pivotalの主席テクノロジストであるBridget Kromhoutさんは、 ソフトウェア開発におけるDevOpsやチーム間のコミュニケーションの重要性について講演しました。

また、Pivotalテクノロジー部門のシニアディレクターであるCornelia Davisさんは、 米国のプログラマ職におけるジェンダーギャップに触れ、現在の課題やそれに対する取り組みを紹介しました。 プログラマが主に集まっているであろう会場内を見渡してみると、男性が9割以上を占めています。 ここがまさにプログラマ職における男女不均衡の縮図になっているのだと痛感しました。

PivotalのSpring開発者アドボケートであるJosh Longさんと、SpringコミッタのStéphane Nicollさんは、 Springコーディングテクニックを紹介すべく、二人のお家芸となっているライブコーディング(その場でコーディングしていく方式のデモ)を披露しました。

ライブコーディングでは、Spring Bootの起動時に出力されるSpring Bootバナーのアスキーアートを猫の絵に差し替えるネタを交えつつ、 ステータスコードをファイル名に用いたエラー画面の作成方法、起動失敗時に出力されるエラー詳細ログ、改善されたテスト機能 といったSpring Boot 1.4の新機能が紹介されました。

Pivotal Spring開発者アドボケートのJosh Longさん(右)と、SpringコミッタのStéphane Nicollさん(左)
Pivotal Spring開発者アドボケートのJosh Longさん(右)と、SpringコミッタのStéphane Nicollさん(左)

また、今回の基調講演では新しい取り組みとして、ユーザー企業による事例紹介も行われました。 米国最大のケーブルTV事業会社であるCOMCASTや、米国大手銀行のCitiは、 彼らのビジネスにおけるマイクロサービスやCloud Foundryの必要性を説明するとともに、 Cloud Foundryやアジャイル開発導入の効果測定、 導入後の開発スタイルに最適な組織体制への改革など、実践的な活動を明かしてくれました。

Citiデジタル&クラウド部門グローバルヘッド Brad Millerさん(左)とCOMCASTエグゼクティブディレクター Greg Ottoさん(右)
Citiデジタル&クラウド部門グローバルヘッド Brad Millerさん(左)とCOMCASTエグゼクティブディレクター Greg Ottoさん(右)

また、今回初の試みとして、PivotalとGoogleとの対談や、Microsoftを交えたパネルディスカッションが行われました。ともにホストを務めたのは、Pivotalから製品上級副社長のJames Wattersさん。

PivotalとGoogleとの対談では、Googleから主席戦略アドバイザーのJay Marshallが登壇し、今年末にGoogleがPivoal Cloud Foundryをベースにしたデータサービスをリリースすることを明かしました。 また、Microsoftを交えたパネルディスカッションでは、MicrosoftからAzure Computeの製品パートナーディレクターを務めるCorey Sandersさんが登壇。Manulife社の事例をベースにAzure上でPivoal Cloud Foundryを動かし、Javaのサポートを強化していくことが発表されました。

Microsoftを交えたパネルディスカッションの様子。左手前からPivotalのJames Wattersさん、MicrosoftのCorey Sandersさん、ManulifeのJesse BeanさんとSebastian Blandizziさん
Microsoftを交えたパネルディスカッションの様子。左手前からPivotalのJames Wattersさん、MicrosoftのCorey Sandersさん、ManulifeのJesse BeanさんとSebastian Blandizziさん

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基調講演以外のセッションも魅力たっぷり!

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SpringOne Platform 2016参加チーム(SpringOne Platform 2016サンカチーム)

【NTTデータ】池谷智行、川崎真弘、倉元貴一、佐々木啓祐、本橋賢二 【NTT】岩塚卓弥 【Pivotalジャパン】槙 俊明

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

本橋 賢二(NTTデータ)(モトハシ ケンジ)

米国駐在時に、OpenStackやOpen Compute、Open Networking Foundationなど、クラウド(IaaS)に関するオープンイノベーションに取り組む。特に、OpenStackは創設メンバーの一人として設立当初より深く関わり、Austinで開催されたOpenStack初回...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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