GitHubは11月17日(現地時間)、オープンソースの分散型バージョン管理システムであるGitの最新バージョン2.52のリリースと併せて、前回の2.51以降に導入された機能や変更点の一部を発表した。
主な新機能の一つとして「git last-modified」コマンドが導入された。従来の方法では、ディレクトリ内ファイルごとに直近の変更コミットを調べるためには「git log -1」を複数回実行する必要があり、処理効率に課題があった。「git last-modified」は、この処理を大幅に高速化し、約5倍以上のパフォーマンス向上が確認されている。
リポジトリの保守性向上も注目点である。「git maintenance」コマンドに新たなジオメトリックタスクが追加され、従来の「git gc」による一括リパックではなく、効率的かつ適切なタイミングで不要オブジェクトを削除できるようになった。これにより大規模リポジトリの運用も滑らかになる。
さらに「git refs」に新しいサブコマンド「list」「exists」が追加され、リファレンス操作が簡素化されたほか、リポジトリ情報取得のためのコマンドとして「git repo」も試験的に導入されている。
また、ビルドオプションとして、一部の内部処理にRustコードを導入する「WITH_RUST」が追加された。現状は限定的な利用にとどまるが、Git 3.0ではRust要件が拡大する見込みだ。加えて、パス指定を含む操作でBloomフィルターの適用範囲が拡大し、更なる高速化が図られている。
その他、パフォーマンス全般や「git sparse-checkout clean」など利便性向上のための新機能も複数追加されている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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