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小説執筆をプログラムで支援する(前編)~各段階におけるソフト編

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複数人での作業

 ここでは、個人で小説を書き上げたあと、編集の方など、複数人でやり取りする際に使用するソフトについて書きます。この段階では、以下のものがあると便利です。

  • PDF作成/編集ソフト
  • ドキュメントスキャナー

PDF作成/編集ソフト

 普通にテキストでやり取りしてもよいのですが、縦書きレイアウトでやり取りしたい場合もあります。そうした時に、PDFにして渡すと便利です。多くの無料PDF作成ソフトは、プリンタードライバーとしてインストールして、PDFとして保存できます。また、Windows 10からは、そうした機能が標準で付いています。

 PDFに修正指示の書き込みを行なうには、PDF編集ソフトが必要になります。基本は、Adobeの「Acrobat DC」なのでしょうが、無料で書き込みができるソフトもあります。

 小説ではPDFでのやり取りが少ないようですが、技術書ではPDFでのやり取りが多かったです。

  • ドキュメントスキャナー

 紙の原稿に赤入れをしてもらった際は、それを紙のまま取っておくのは大変です。どんどん溜まっていって場所を取ります。そうした際に、ドキュメントスキャナーを使うと、データとして取り込めて便利です。

 私の場合、ドキュメントスキャナーは、富士通の「ScanSnap」を利用しています。まとめてスキャンしてPDF化できます。

最後に

 というわけで、「プログラマーとして、どのように小説執筆をプログラムで支援しているか」というテーマで、記事を書きました。前編の今回は、各段階において、どのようなソフトを使ったり、作ったりしていたかをまとめました。

 こうした舞台裏で執筆した小説が、8月7日に発売になります。私の商業長編小説2作目です。前作は、プログラマの心理に肉薄した騙し合いになっていましたが、今作はそれだけでなく、情報技術を駆使した、犯人とのチェイスを描いています。よければ、こちらも手に取っていただければと思います。

書籍情報

  • 書名:『顔貌売人 ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』(文藝春秋BOOKS)
  • 作者:柳井政和
  • ジャンル:エンタメ・ミステリ
  • ページ数:320ページ
  • 判型:四六判
  • 発売日:2017年08月07日(月)
  • 定価:本体1,750円+税
  • ISBN:978-4-16-390697-3
  • 表紙:うめ先生(「スティーブズ」「大東京トイボックス」他)
  • 帯:大森望さん

 

あらすじ

 園村幸子は地方から上京し、東京の大学に入ったが、実家の店の経営難で仕送りが減り、ブラックバイトに手を染める。その中で、騙されてアダルトビデオに出演させられるが、幸子は化粧前と後でまったく別人の顔になるため、その後は都内の銀行に就職して、地味な生活を送っていた。ところがある日、高校の同級生から「おまえ、AVに出てないか」というメールが届く。驚いた幸子は、メールにあった「AV女優顔探索」というサイトを見て愕然とする。顔認識の技術と個人情報を紐付け、過去を暴く恐ろしいシステム。その作者の真の意図とは一体……?

 情報犯罪を阻止するのは、時間との勝負だ。相談を受けた女社長・安藤裕美と、クールな一匹狼の技術者、鹿敷堂は、すぐに行動を開始する。

 プログラムに隠されていた謎のメッセージ。犯人の背後に潜む悪の組織。前作「裏切りのプログラム」で登場した名コンビが情報技術を駆使し、汗をかき足で稼いで真実に迫っていく。最先端の情報犯罪と、現代社会の底辺で足掻く者たちの苦悩を活写する傑作ミステリー第2弾。

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この記事の著者

柳井 政和(ヤナイ マサカズ)

クロノス・クラウン合同会社 代表社員http://crocro.com/オンラインソフトを多数公開。プログラムを書いたり、ゲームを作ったり、記事を執筆したり、マンガを描いたり、小説を書いたりしています。「めもりーくりーなー」でオンラインソフト大賞に入賞。最近は、小説家デビューして小説も書いています(『裏切りのプログラム』他)。面白いことなら何でもOKのさすらいの企画屋です。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/10307 2017/08/01 14:00

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