苦しい仕事でも、会社にとってプラスになるならば、やる
是澤:他に質問のある方は?(挙手を求める)では、どうぞ。
参加者:組織が大きくなっていくにつれて、CTOの役割も変わってきます。その過程で、大変な時期や苦しい仕事もあったと思います。それでも続けてこられた理由があれば、聞きたいです。
安武:CTOを続けられたのは、共に働いている人たちが好きだったからですね。楽天では辞める人が少なかったので、10年くらい一緒に働いているメンバーもいました。それだけ長くいると、愛着が湧くというか。彼らが楽しんで働ける環境を作りたかった。続けられた理由はそれ以外にないと思います。
明石:もちろん、長く働いていると嫌なことだってたくさんありますよ。そんなときは、とにかくその仕事を早く片付ける。あとは、得意な人にお願いする。それで乗り越えてきました。
藤本:真面目な話をすると、CTOは経営者として責任を持つ立場なので、個人的な感情で仕事の好き嫌いを語るべきではないというのが大前提としてあります。だから、会社にとってプラスになる仕事ならばやるべきだし、マイナスになる仕事ならばやってはいけない。ですので、CTOとしては例えば個人の成功と会社の成功を同一視できるようなインセンティブや考え方を持つ、というのがいいかもしれません。
「生き残りたい」ではなく「会社に貢献したい」と考える人が、結果的に生存する
是澤:最後に、CTOとして生き残るために大切なことを話してもらえますか?
安武:藤本さんの言葉で思い出しましたが、取締役やCTOは責任がある立場なので、責任を果たせなくなったら即いなくなるべきだと思います。本人のモチベーションや好き嫌いにかかわらず。
2008年8月9日に楽天のシステムがダウンして、5日間ほどカード決済ができなくなったことがありました。当時、私は責任者だったので「取締役を降ります」と言ったんです。でも、社長から「続けてくれ」と言われたので、そのまま残りました。
要するに、取締役やCTOが生き残るかどうかは、自分ではなくて周りの人が決めることなのだと。だから生存するには、とにかく結果を出すしかないと思います。
明石:もし、会社の未来のことを考えられなくなって、目先の仕事だけを見るようになったらCTOを辞めた方がいいですね。目線を高く保って、会社の成長のことを考え続けるのが大切です。どんな技術を導入すべきか、どのようなプロダクトを作るべきかを常に考え続ける必要があると思います。
藤本:生存戦略って、相反する要素を含む言葉だと思います。生存しようというモチベーションで頑張ってもしょうがなくて、会社をより良くしようと頑張れば、結果的に生存できると思います。だから、生存戦略の方法を考えるのではなく「日々頑張ろうぜ」という気持ちでやっていきましょう。
是澤:本当にその通りですね。今回はどうもありがとうございました!
