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イベントレポート

開発者にとってMicrosoft Azureはどう進化しているか【de:code 2019】

「de:code 2019」基調講演レポート

Azureのサーバーレスアーキテクチャ、エッジデバイスの広がり

 Azureに話題を移そう。Azureにはインフラストラクチャ、サーバーレスアーキテクチャ、エッジデバイス、開発ツールなどの要素が含まれる。

Azure全体像
Azure全体像

 サーバーレスな機能にはApp Service、Functions、AKSがあり、インフラ管理の手間を省き、アプリ開発の生産性向上が期待できる。新たにApp Service on Linuxで無料サービスプランが利用可能となった。またイベント駆動型のFunctionでは、Azure API Managementとの機能統合でFunctionsをサーバーレスAPIとして定義可能になった。新しいプレミアムプランでは、事前にウォームアップしたインスタンスで駆動可能だ(コールドスタートなし)。

 「AKS向けサーバーレスコンピューティング」は一般提供開始となった。仮想ノードを使用することで、需要が高まった時には最適なリソースのスケーリングが可能となる。また「Kubernetesベースのイベント駆動型自動スケール(KEDA:Kubernetes-based Event Driven Autoscaling component)」はレッドハットと共同開発した。AKSおよびOpenShiftで動作する。イベント駆動型のコンテナを作成し、自動でスケールする。

 Azureの特徴としてWhite氏が強調するのが、クラウドとオンプレミスとのハイブリッド能力だ。どちらで実行されるアプリケーションも開発し、提供することが可能だという。特に近年ではIoTが進み、エッジデバイスが増えてきている。

 エッジデバイスといっても多種多様だ。AzureStackやAzure Data Box、チップとIoT向けのLinuxディストリビューションからなるAzure Sphere、深度センサーなどを搭載したカメラ端末Azure Kinect、MRのためのヘッドセットHoloLensまである。

 例えばAzure Sphereで測定した温度をJSON形式のデータでAzure IoT Centralへ送信し、グラフで表示するといったことができる。またWindows PC上で利用可能なプラグアンドプレイをIoTデバイスにも拡張した(Azure IoT Plug and Play)。現在GitHubにて「DTDL:Digital Twin Definition Language」として公開されている。

 ・参考:「Digital Twin Definition Language

 KinectはもともとXbox向けに発表され、最近IoT向けに一新して復活した。100万画素の深度センサー、800万画素のRGBカメラ、7つの音声認識用マイク、モーションセンサーなどが搭載されており、人間の動きを認識する。複数台をデージーチェーンで同時接続することで、3次元的に動きをキャプチャできる。また深度センサーの精度が向上しているため、キャプチャした画像から人間の心拍を推測するといった使い方も期待されている。

精度を高めていくAI、ハイパースケールなデータベースサービスも登場

 AI機能の話に進もう。AIには事前学習済みAIとカスタムAIがある。前者はAzure Cognitive Servicesで、サービスカテゴリには「画像」「音声」「検索」「言語」があり、最近「判断」が追加された。これらはREST APIでアクセスできるほか、コンテナを使いオンプレ、クラウド、エッジなどに展開することも可能だ。学習を重ね、年々精度が高まってきているという。手書きの文字を認識したり、リアルタイムで会話を文字おこししたりすることも可能となってきている。

 また、最近「Form Recognizer」がプレビューで発表された。スキャンした書類から文字を抽出することができる。書類のデジタル化に役立ちそうだ。さらに「Azure Cognitive Search」が一般提供開始となった。没入感のあるセマンティック検索が可能となる。

 後者のカスタムAIはAzure Machine Learningで、独自の機械学習モデルをビルドやデプロイできる。幅広いフレームワークやツールをサポートしている。最近では自動機械学習のUI、FPGAを使用したハードウェア高速化モデル、NVIDIAやIntelチップ向けONNXランタイムサポートなどの新機能が加わった。

 言うまでもなく、AIが学習していくためにはデータが欠かせない。AzureにはAzure SQL Database、Azure Database for PostgreSQL、Azure Database for MySQL、Azure Database for MariaDB、Azure Cosmos DBといったオペレーショナルデータベースサービスがあり、データベースをサービスとして利用できる。

 データベースに関する新サービスや新機能も見ていこう。一般提供開始となったのが「Azure SQL Database Hyperscale」で、急速にデータが増えても対応可能なものだ。今後PostgreSQL版にもリリース予定だという。「Azure SQL Database サーバーレス」はパフォーマンス単位、秒単位の課金で、需要に応じて最適なリソースにスケールし、AIが組み込まれたフルマネージドサービスとなる。「Azure SQL Database Edge」はIntelおよびARMプロセッサに最適化したものだ。Azure Cosmos DBでは新たに組み込み型Sparkのサポートなど、AIで利用する時の機能強化が加わった。

 基調講演では各プロダクトの紹介とともに、利用している企業の事例も挟みながら紹介されていた。例えばトヨタの販売店では作業員がHoloLensを装着し、Microsoft Dynamics 365 GuidesとAzure AIを活用したアプリケーションで効率的に点検作業を行う様子などが示された。さまざまな企業におけるイノベーションやデジタルトランスフォーメーションが、マイクロソフトのプラットフォームを通じて着々と進んでいる。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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