OSSコミュニティが、成長の機会を与えてくれた
サイバーエージェントでKubernetesに携わるうち、青山氏は「社内でKubernetesに取り組んでいる人が少ない」という課題を感じ始める。新しい知識を学ぶため、Kubernetes関連の勉強会に足を運ぶようになったという。Kubernetesへの探究心を深めていった青山氏は、海外の有名なカンファレンスにも参加するようになった。
「カンファレンスに参加することは、数多くの利点があります。参加者の多くは、特定技術の学習意欲やスキルが高い方です。そうした方々とディスカッションし、最新の知見を得ることができます。『どのような技術が流行の兆しを見せているか』という動向を、肌で感じることが可能なのです。
その代わり、なるべく多くのものを持ち帰れるように、真面目に情報収集することが重要です。カンファレンスに参加することで、会社に何を還元できるかを考えておきましょう」
会社にとって、社員をカンファレンスに参加させることには上図のメリット・デメリットがある。
多くのOSSは、コミュニティのコントリビューションによって成り立っている。「私たちはOSSの恩恵を受けているからこそ、アップストリームへの貢献を積極的にすべき」だと青山氏は語る。
「OSSのバグ修正や新機能追加はもちろん、事例やベストプラクティスの情報発信、ブログ執筆といったノン・コードの活動も、コントリビューションの手段です。ぜひ、自分が手をつけやすいところから、取り組んでみてください」
青山氏自身もOSSのコード修正だけではなく、KubeCon日本交流会の実施やCloud Native Meetup Tokyoの立ち上げ、技術カンファレンスの共同実行委員長への就任など多種多様なコントリビューションを行ってきた。「こうした活動は他の方々のためになるだけではなく、巡りめぐって自分自身にも必ず良いことがあります」と青山氏は強調した。
パラレルキャリアでの活動は、本業にも好影響がある
最後に、青山氏はパラレルキャリアについて言及する。パラレルキャリアは「軸足はあくまで本業の会社におき、社外活動であってもなんらかの形で本業に結びつける」ことが特徴とされる。つまり、パラレルキャリアを経験することで、本業にもプラスの影響があるのだ。
青山氏がパラレルキャリアを始めたのは、サイバーエージェントに入社してから3年目。「より幅広い業務を経験したい」というモチベーションから、自身のポートフォリオを公開して仕事を探し始めた。ポートフォリオの公開後、複数の企業から声がかかった。現在、青山氏は本業の他に、以下の業務に従事している。
- CreationLine 技術アドバイザ
- さくらインターネット研究所 客員研究員
青山氏は執筆業にも取り組んでいる。『Kubernetes 完全ガイド』『みんなの Docker/Kubernetes』『showKsではじめるクラウドネイティブ開発』などの書籍執筆や、10記事以上ものWeb記事執筆を行ってきた。
「パラレルキャリアには、向いている人と向いていない人がいます。大前提として、本業をしっかりとこなしていることが重要です。プライベートな時間を技術的な取り組みに充てることになるので、エンジニアリングを嫌々やっている方は辛くなってしまうでしょう。
『本業の制約から開放されたい(自由度の高い働き方をしたい)』という方も、パラレルキャリアに向いています。好きな技術領域やプロダクトに携わって、キャリアアップのためにパラレルキャリアに取り組むのがベストだと思います」
「オープンな活動」に取り組むことは、コミュニティに利益をもたらすだけではなく、自分自身のスキルやキャリアにも相乗効果を生んでくれる。自らの強みを活かし、道を切り拓いてきた青山氏の生き方は、オープンであることの意義を私たちに教えてくれた。
