動くモノをトラッキングしてみる
GPS マルチユニットで計測できる項目は、「温度」「湿度」だけではありません。デバイス名の頭にある通り、GPSを利用して位置情報を取得することができます。次に、GPS マルチユニットの「位置情報」で、動くモノをトラッキングする例を解説します。
ゴールは先ほど利用した「SORACOM Harvest Data」で以下のように表示できるところまでです。
GPS マルチユニットの設定を変更して適用する
現在の温湿度のデータを送信している設定から、GPSの位置情報を送信するように設定を変更します。
左上[Menu]>[ガジェット管理]と進み、GPS マルチユニット管理画面を開きます。対象となるSIMにチェックを付けた後[デバイス設定変更]をクリックします。
デバイス設定画面では、以下の通り変更を加えます。
送信内容
- 「温度」「湿度」のチェックを外し、「位置情報」にチェックを付けます。
それ以外の設定は変更の必要がありません。ページ下の[保存]をクリックします。
最後は、GPS マルチユニットのファンクションボタンを押して設定を反映すれば準備完了です。
SORACOM Harvest Dataで地図を表示する
温湿度と同様に、GPS マルチユニット管理画面で設定したSIMにチェックを付け[データを確認]から、データを表示します。
この際、左側のグラフ種類から「地図」を選ぶと、位置情報が表示されます。
GPS マルチユニットの通信であるLTE-Mはスマートフォンと同様に移動しながらでも通信できるため、例えば新幹線のような高速移動でも以下のように位置計測をすることが可能となります。
GPS マルチユニットをさらに使いこなすためには?
GPS マルチユニットとSORACOM Harvest Dataを利用することで、環境情報や位置情報のデータ収集と簡易的なデータ確認がすぐに実現できることがお分かりいただけたでしょうか。
ここからはさらに活用するための情報を紹介します。
送信間隔の調整とバッテリー
今回はデータをすぐ確認できるようにするため、定期送信の送信間隔を1分に設定しました。内蔵バッテリーの消耗は送信間隔と密接な関係にあります。送信間隔が短ければ、バッテリーの消耗も早くなります。そのため、計測対象や環境によって送信間隔を検討することで、バッテリーでの稼働時間を延ばすことが可能です。
当社で実測したところ、10分に1回の送信で約1週間(6.5~7.0日間)の稼働が確認されています。運用の目安と考えてください。
クラウド連携
今回の紹介ではデータ収集にSORACOM Harvest Dataを利用しましたが、GPS マルチユニットのセンシングデータは、SORACOMの別のサービスを利用することで皆さまのシステムに連携することも可能です。
それぞれのサービスの利用方法は、サービス紹介ページをご覧ください。
- ダッシュボード作成・共有「SOARCOM Lagoon」
- データ転送「SORACOM Beam」
- クラウドアダプタ「SORACOM Funnel」
- クラウドファンクションアダプタ「SORACOM Funk」
便利なクラウドサービスを活用することで、実ビジネスでもGPS マルチユニットの活用の幅を広げていただければと思います。
おわりに
最近はすぐに使えるデバイスも入手できるようになり、IoTをより簡単に始められるようになりつつあります。GPS マルチユニット SORACOM Editionは、センサーを内蔵しているのでセンサー選びや、初期設定、プロトタイプのデバイス製作の手間をなくすことができます。まずは、こういったすぐにできるデバイスで生活を便利にすることから始めてみてはいかがでしょうか。そしてビジネスで活用できるところまでIoTを学ぶことで、次のアイディアが浮かんでくるでしょう。
最後になりますが、GPS マルチユニット SORACOM Editionを活用し、「今日から現場のデジタル化」を実現いただければうれしく思います。