今回の定点による「温度」「湿度」「位置情報」の計測を基にして、複数のGPS マルチユニットのデータをSORACOM Lagoonでダッシュボード化する方法を、動画でも紹介しています。併せてご覧ください。
4つのセンサーとバッテリーを搭載した「GPS マルチユニット SORACOM Edition」
このGPS マルチユニットを使えば、オフィスや自宅の温度湿度を計測して健康管理やお肌の乾燥防止、熱中症対策、車や自転車の位置情報管理、さらには屋外でのひとり作業の見守りなどいろいろな仕組みを作ることができます。
注意
本稿ではGPS マルチユニット SORACOM Edition本体のハードウェア費用の他、「SORACOM Air for セルラー」や「SORACOM Harvest」「SORACOM Lagoon」といったSORACOMの各種サービス費用が必要となります。各サービスの料金表をご確認の上、かかる費用についてご留意ください。
GPS マルチユニット SORACOM Editionとは?
GPS マルチユニットは、これ1台で「温度」「湿度」「加速度」「位置情報(GPS・GLONASS・みちびき)」と4種類のセンシングが可能なIoTデバイスです。
サイズは約49mm×83mm、厚さは13.8mmと、手のひらよりも一回り小さいながらも、センサー群だけでなく「充電式バッテリー」とLPWAセルラー通信「LTE-M」を搭載しています。そのため、設置場所の自由度が高いのが特徴です。以下の写真は私の手です、ご参考までに。そんなに大きいほうではありません。
GPS マルチユニット SORACOM Editionの設定方法
GPS マルチユニットの設定に特殊な開発環境は不要です。その背景は「(1)通信に必要な情報は出荷時に設定済み」そして「(2)センサーの設定はWebブラウザで」となっているからです。
センサーデータは、データ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest Data」の画面から、記録したいデータを選択することで、簡単にデータ収集が始められます。
では、GPS マルチユニットの設定から、各種センサーの中から、「温度」「湿度」のデータを収集するところまでやってみます。
準備しよう
GPS マルチユニットは、SORACOMのユーザーコンソールでご注文いただけます。「GPS マルチユニット SORACOM Edition スターターキット」には、GPS マルチユニット本体の他、GPS マルチユニットですぐ使うことができるSORACOM特定地域向けIoT SIMカード「plan-D」と、充電・給電用のMicroUSBケーブルが付属しているので、初めての方はこちらを利用するとスムーズです(SORACOMユーザーアカウントの作成が必要です)。
本記事では、「GPS マルチユニット SORACOM Edition スターターキット」に同梱されているパーツが手元に揃っていることを前提に解説していきます。
GPS マルチユニットで利用可能な特定地域向けIoT SIMは以下の通りです。
- plan-D(NTTドコモのネットワーク)
- plan-KM1(KDDIのネットワーク)
本記事では、スターターキットに同梱されている、plan-Dの場合で記載しています。プランにより料金体系が異なるので、詳細はSORACOMのWebサイトを確認ください。
手元に届いたら――SIMの登録から電源ケーブル接続まで
GPS マルチユニットが届いたら「受け取り」をすることで、同梱されているSIMがSORACOMに登録後すぐに利用できるようになります。
SORACOMユーザーコンソールにログインした後、左上の[Menu]から[発注]に進むと、注文履歴が一覧表示されます。その中でGPS マルチユニットの注文履歴を見てみると「受け取り確認」というボタンが表示されていますのでクリックします。
ダイアログで[登録]をクリックするとSIMが登録されて、管理しているSIM一覧の中に加わります。これで、GPS マルチユニットに同梱されているSIMが利用できるようになりました。
次に、GPS マルチユニットの電源です。GPS マルチユニットは内部バッテリーでの稼働と、電源からの給電稼働の両方をサポートしています。付属のMicroUSBケーブルが電源ケーブルとして利用できます。
GPS マルチユニットはMicroUSBケーブルを挿して電力が供給されると充電が開始され、また同時にデバイスの電源がONとなりセンシングやデータ送信が開始されます。
これで準備は整いました。実際に使ってみましょう。
注意
SIMは「受け取り確認」をクリックしなくても、出荷のご案内から数日で自動的に登録されます。基本料も登録された日から開始されるのでご注意ください。
また、電源の供給と共にデバイスの電源が自動的にONになるため、開発やテストの際に「充電だけしていたつもり」が、実はデータ送信されてしまい、予想外の費用が発生してしまう恐れがあります。ケーブル接続直後にGPS マルチユニットの電源をOFFにする、もしくはSIMを抜いておくといった措置で防ぐことができます。