SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

「ActiveReportsJS」ではじめるフロントエンド帳票開発(AD)

さまざまなグラフを帳票に表示できる「ActiveReportsJS」のチャート機能

「ActiveReportsJS」ではじめるフロントエンド帳票開発 第4回

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Chartで表示できるさまざまなグラフ

 ここまでの例では棒グラフと折れ線グラフを表示しましたが、Chartレポートコントロールではこれ以外にもさまざまな種類のグラフを表示できます。すべての種類については公式ドキュメントを参照してください。

図18 Chartレポートコントロールで表示できるグラフの例(公式ドキュメントより)
図18 Chartレポートコントロールで表示できるグラフの例(公式ドキュメントより

 以下では、Chartで表示できるグラフから何種類か抽出して、設定のポイントを説明します。詳細な内容は各サンプルコードを参照してください。

割合を表すのに便利な円グラフ

 円グラフは、全体に対する各データ項目の占める割合を表現します。図19は、スマホメーカーごとの販売台数と売上額を想定したデータを、円グラフとドーナツグラフで表示したものです。

図19 円グラフのサンプル(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)
図19 円グラフのサンプル(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)

 図19の元データはリスト2のJSONファイルです。メーカーごとに販売台数と売上額を記述します。

[リスト2]図19の元データとなるJSONファイル(p004-circle/report-data.json)
[
  {
    "vendor": "Apple",  // メーカー
    "count": 30,        // 販売台数
    "sales": 4000000    // 売上額
  },
(略)
]

 円グラフを表示するには、プロットの「値」に販売台数や売上額、「エンコーディング」の「詳細」にメーカーを設定します。

図20 販売台数の円グラフを表示するデータの設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)
図20 販売台数の円グラフを表示するデータの設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)

 円グラフに重ねて表示するラベルの種類は「ラベルのテキスト」-「テンプレート」で設定します。実際の数値(ここでは販売台数)を表示するには「Value Field Value」、パーセンテージで表示するには「Percentage in Category」を設定します。

図21 円グラフに実際の数値を表示するラベルの設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)
図21 円グラフに実際の数値を表示するラベルの設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)

 また、円グラフの「設定」-「内半径」を0より大きくすると、中央部に穴が開いたドーナツグラフになります。

図22 円グラフをドーナツグラフにする設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)
図22 円グラフをドーナツグラフにする設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)

 なお、円グラフの場合には凡例に表示するのは「販売台数」や「売上額」といった値の名前ではなく、「Apple」や「Samsung」といったメーカーなので、「凡例に値の名前を表示」は設定せず、「凡例」に「メーカー」を設定します。

図23 円グラフの凡例を設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)
図23 円グラフの凡例を設定(p004-circle/p004-circle.rdlx-json)

進捗管理に便利なガントチャート

 ガントチャートは、横軸に年月日、縦軸に工程を割り当てて、作業の期間を横棒で表示するグラフです(図24)。プロジェクト管理でよく利用されます。

図24 ガントチャートのサンプル(p005-gantt)
図24 ガントチャートのサンプル(p005-gantt)

 図24の元データはリスト3のJSONファイルです。工程ごとに、開始/終了の予定と実績の年月日を記述します。

[リスト3]図24の元データとなるJSONファイル(p005-gantt/report-data.json)
[
  {
    "id": 1,                    // ID
    "name": "設計",             // 工程
    "planFrom": "2020/03/01",   // 開始予定
    "planTo": "2020/03/31",     // 終了予定
    "actFrom": "2020/03/10",    // 開始実績
    "actTo": "2020/03/25"       // 終了実績
  },
(略)
]

 ガントチャートでは、各プロットの「値」に「lower」(開始)と「upper」(終了)を設定します。

図25 ガントチャートにデータを設定(p005-gantt/p005-gantt.rdlx-json)
図25 ガントチャートにデータを設定(p005-gantt/p005-gantt.rdlx-json)

 なお、図24のガントチャートでは、表示を整えるため、x軸の設定を調整しています。まず「ラベル」-「ラベルの角度」を-90度に設定して、年月日が縦に(90度左回転して)表示されるようにしています。

図26 x軸のラベルを90度左回転する設定(p005-gantt/p005-gantt.rdlx-json)
図26 x軸のラベルを90度左回転する設定(p005-gantt/p005-gantt.rdlx-json)

 また、「スケール」の「最小値」と「最大値」に表示範囲を設定しています。x軸の値は年月日なので、年月日の値を1970年1月1日からのミリ秒で設定します。例えば最小値には、日時の差を計算するDateDiff関数を利用して、リスト4の式を設定しています。DateDiff関数の第1引数に「s」を設定すると、日時の差が秒単位で取得できるので、1000倍してミリ秒にしています。

[リスト4]ガントチャートのx軸に設定する最小値の式(p005-gantt/p005-gantt.rdlx-json)
=DateDiff("s", "1970-01-01", "2020-02-25") * 1000

株価の表示でおなじみのローソク足

 ローソク足は、株価などの始値と終値、高値と安値を、ローソク状の図形で表示するグラフです。

図27 ローソク足のサンプル(p006-candlestick)
図27 ローソク足のサンプル(p006-candlestick)

 図27の元データはリスト5のJSONファイルです。年月日ごとの始値、高値、安値、終値を記述します。

[リスト5]図27の元データとなるJSONファイル(p006-candlestick/report-data.json)
[
  {
    "date": "2020/07/22",   // 年月日
    "openPrice": 22791.75,  // 始値
    "highPrice": 22855.31,  // 高値
    "lowPrice": 22732.92,   // 安値
    "endPrice": 22751.61    // 終値
  },
(略)
]

 ローソク足では、プロットの「値」に「high」(高値)、「low」(安値)、「open」(始値)、「close」(終値)をそれぞれ設定すると、図27の通り表示されます。

図28 ローソク足にデータを設定(p006-candlestick/p006-candlestick.rdlx-json)
図28 ローソク足にデータを設定(p006-candlestick/p006-candlestick.rdlx-json)

まとめ

 本記事では、ActiveReportsJSでさまざまなグラフを表示できるChartレポートコントロールの利用法を説明しました。Chartを利用してデータをグラフで表示すれば、より表現力豊かな帳票が作成できます。

参考資料

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「ActiveReportsJS」ではじめるフロントエンド帳票開発連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/12913 2020/10/06 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング