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「ActiveReportsJS」ではじめるフロントエンド帳票開発(AD)

画面表示・印刷・エクスポート時の表示有無を切り替えられる「ActiveReportsJS」V2Jのレイヤー機能

「ActiveReportsJS」ではじめるフロントエンド帳票開発 第6回

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 本連載では、WebブラウザのJavaScriptで帳票を出力できるグレープシティのライブラリ「ActiveReportsJS」を活用した帳票アプリの利用法を紹介しています。前回はActiveReportsJSの新バージョンV2Jで追加されたデータソースの新機能を説明しました。今回は同じくV2Jで導入されたレイヤー機能を紹介します。レポートコントロールを複数のレイヤーに振り分けて、表示・印刷・エクスポート時の表示と非表示をレイヤー単位で切り替えられます。

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はじめに

 グレープシティのJavaScriptライブラリ「ActiveReportsJS」は、サーバー側処理ではなく、WebブラウザのJavaScript処理で帳票を出力できるライブラリです。本連載では、ActiveReportsJSの活用法を複数回に分けて紹介しています。

 2020年12月に、ActiveReportsJSの新バージョンV2Jがリリースされ、さまざまな新機能が追加されました。すべての新機能はActiveReportsJSの公式ページで紹介されています。前回記事ではこのうち、データソース関連の新機能を紹介しました。

 今回紹介するActiveReportsJS V2Jの新機能は、レイヤー機能です。これはレポートに複数のレイヤーを定義してレポートコントロールを振り分けられる機能です。レポートを画面表示・印刷・エクスポートする際に、各レイヤーの表示と非表示を切り替えられるため、例えば印刷時にだけ特定の表示を追加・削除するといったことができます。

 本記事では、ActiveReportsJSのレイヤー機能について、サンプルとともに説明していきます。

対象読者

  • Webページに帳票出力機能を実装したい方
  • テンプレートが印刷された用紙に内容だけをはめ込み印刷したい方
  • 帳票の印刷やエクスポート時に、画面とは異なる表示を行いたい方

必要な環境

 本記事のサンプルコードは、以下の環境で動作を確認しています。Node.jsは、ActiveReportsJSの動作に必ずしも必要ではありませんが、ローカルでWebサーバーを動作させるために利用しています。

Windows 10 64bit版

  • ActiveReportsJS V2J
  • Microsoft Edge 88.0.705.63
  • Node.js v14.15.4 64bit版

 サンプルコードを動作させるには、ActiveReportsJSのトライアル版が必要になります。公式ページからダウンロードしてください。トライアル版のZipファイルから、distフォルダーの内容をサンプルコードのactivereportsjsフォルダーにコピーします。次に「npm install」コマンドを実行してライブラリをダウンロード後、「npm run start」コマンドを実行すると、Webブラウザが開いてWebページが表示されます。

ActiveReportsJSのエクスポート機能

 レイヤー機能を説明する前に、ActiveReportsJSのエクスポート機能について簡単に説明します。ActiveReportsJSでは、帳票をExcel・HTML・PDFファイルにエクスポートできます。エクスポート機能を利用するには、各ファイル形式に対応するエクスポート機能のJavaScriptファイルを、HTMLのhead要素内で参照します。

[リスト1]エクスポート機能のJavaScriptを参照(p001-basic/index.html)
<head>
(略)
  <script src="activereportsjs/scripts/ar-js-xlsx.js"></script><!-- Excel -->
  <script src="activereportsjs/scripts/ar-js-pdf.js"></script><!-- PDF -->
  <script src="activereportsjs/scripts/ar-js-html.js"></script><!-- HTML -->
(略)
</head>

 リスト1の通り参照すると、帳票表示画面の左側にエクスポートボタンが表示され、帳票をエクスポートできるようになります。

図1 帳票エクスポートボタンの表示(p001-basic/index.html)
図1 帳票エクスポートボタンの表示(p001-basic/index.html)

 なお、日本語を含む帳票をPDFファイルにエクスポートする場合、ページロード時のJavaScript処理でActiveReportsJSに日本語フォントを設定する必要があります(リスト2)。(1)でフォントを定義して、(2)のFontStore.registerFontsメソッドでフォントを登録します。registerFontsメソッドは非同期に実行されるため、戻り値promiseのthenメソッド(3)で、フォント登録完了後の処理(ここではビューワを生成してレポートファイルを開く処理)を記述します。

[リスト2]PDFエクスポート用のフォント登録処理(p001-basic/index.js)
window.addEventListener('load', function() {
  // PDFエクスポート用のフォントを定義 ...(1)
  const font = {
    name: 'IPAexGothic', // フォント名
    source: 'fonts/ipaexg.ttf', // フォントファイル
    useAsDefault: true // PDFエクスポート時のデフォルトフォントにする
  };
  // 定義したフォントを登録 ...(2)
  GC.ActiveReports.Core.FontStore.registerFonts(font)
  // フォント登録完了時に以下を実行 ...(3)
  .then(() => {
    // ビューワを生成
    const viewer = new ActiveReports.Viewer('#viewer', {language: 'ja'});
    // ビューワでレポートファイルを開く
    viewer.open('p001-basic.rdlx-json');
  });
}, false);

 本記事のサンプルでは、PDFエクスポート用の日本語フォントとして、fontsフォルダーにIPAexゴシックのフォントファイルipaexg.ttfを配置して利用しています。

次のページ
レイヤー機能の基本的な挙動

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この記事の著者

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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