新型コロナウイルスによるピンチをチャンスに変える! 産官連携によるDXで「世界に負けない都市・東京」へと進化
千葉氏のドローンやエアモビリティについての話題を受け、熊谷氏も「東京の空を活用するには、大胆な規制緩和が必要」と訴えた。
長谷部氏は「まずは現在の規制のままでも可能な実証として、災害時を想定した甲州街道沿いをドローン活用の実証場所にと考えていた」と語る。それに対し、千葉氏は「勝手に渋谷で妄想していた」と述べ、「渋谷区と東急と国交省が連携すれば、渋谷と羽田空港がダイレクトに連結する『空の道』ができる」と構想を語った。線路や河川、電線の上などで「空の道」を作れないか、というアイデアだ。
宮坂氏は「2年前にトヨタに空飛ぶクルマの実験を見に行ったが、技術が劇的に進化しているのを実感する」と述べ、「ドローンやエアモビリティの活用が実現すれば、都市のサイズが大きく変わる。そうなると産業や生活も大きく変わるだろう」と期待を寄せる。千葉氏も「たとえば温泉のある箱根に住んで、都心に週に数日エアモビリティで出勤ということも可能になる。地価を決定していた要素が、住みやすさや快適性、空の道へのつながりやすさなどに変わってくるだろう」と未来の都市生活について語った。
さらに宮坂氏は災害時のドローン活用に期待を寄せており、「災害によって林道の崩落が起きたことを想定し、ドローンの自動運転による状況把握や物資輸送などの実証を行っていく」と強調した。
熊谷氏も「空は最後のフロンティア。世界のルール作りに負けないように頑張ってほしい」と語り、「ぜひとも渋谷で!」と繰り返した。
妄想や構想、予測など、様々な形で街の未来展望が語られる中、ラストトークは「直近のデジタル活用」について紹介された。長谷部氏は、渋谷らしいコンテンツを発信・体験できる場所をバーチャル空間上に構築した「バーチャル渋谷」について語るとともに、街の課題を解決する一つの手法として、コロナ禍で疲弊するエンターテイメントや飲食店などを支援するクラウドファンディングを併せて行っていることが紹介された(クラウドファンディングはすでに終了している)。なお、クラウドファンディングでは、バーチャル区民としてバーチャル渋谷の駅前に個人や企業の名前が掲載されるリターンも用意しているという。
そして宮坂氏は、「公益自治体としてインフラを整えることが使命と考えている。規制緩和も含め、意欲がある企業や個人が使い倒して、どんどん斬新なサービスを発表していけるようなプラットフォームを創造していきたい」と語り、具体的には5Gの基地局設置の推進を目的とした設置ポイントのデータベースをキャリアに提供し、他地域でも活用できるようオープンデータとして公開するという。そして、改めて「他国、他都市に負けぬよう、官民協同でのインフラづくりに尽力していきたい」と語った。
続いて、熊谷氏に「今後最もイケてるビジネスを」とお題を与えられた千葉氏は「遠隔によるドローンパイロットセンター」と即答し、「AIは万能ではなくラスト1割は人間が関与する必要がある。その上で1人が多数のドローンを操縦できるようになれば、重要な社会インフラになる可能性は高い。今後はそこにかけていく」と力強く語った。
三人三様の未来予想図に対し、熊谷氏は「コロナは大変な危機であり、ピンチだったが、同時に世界と日本のDXを進める推進力ともなった。鼻息の荒いエンジニア、企業の皆さんにとって、ビジネスチャンスにほかならない。ピンチをチャンスに変えて、みなさんと一緒にこの状況をポジティブに捉えながら進めていきたい」と語り、講演の締めくくりとした。
