公共自治体として5Gなど「インフラ整備」に邁進 バーチャル都庁など行政サービスのデジタル化も進める
続く2人目の発表者は、東京都副知事の宮坂 学氏。元ヤフー株式会社代表取締役会長でもあり、日本におけるデジタルシフトのキーパーソンだ。2019年9月に東京都副知事に就任し、以降Society 5.0施策や5G施策の推進など、IT関連事業を所管とする。
東京都の「スマート東京実施戦略」に基づき、①「電波の道」で「つながる東京」(TOKYO Data Highway)、②公共施設や都民サービスのデジタルシフト(街のDX化)、③行政のデジタルシフト(行政のDX)を3つの柱とし、施策を展開している。
宮坂氏は「特に『電波の道』について、スマートシティとなるべく様々なサービスが登場してくると思うが、インターネットあってのデジタル化が必要。道路を作るように環境を整えることを本気で行っていく」と語り、「公共施設や都民サービスのデジタルシフトもニュースにならないくらい“普通”にならなければならない。そして、行政=都庁ではひと世代前のツールを使っているが、人々と同じレベルで使いこなせなければ新しい発想は湧いてこない」とその意図について説明した。
そんな中で、新型コロナウイルスの影響で社会構造が大きく変わりつつあり、東京都も「withコロナ視点」でDXが加速しているという。東京オリンピック・パラリンピックに向けて施設周辺の5G化に躍起になっていたが、コロナ以降は「学校の子ども達にインターネットをどうやって届けるか」というように優先順位が変わってきているという。
都民サービスの充実を意図した「バーチャル都庁構想」もそのひとつだ。リアルな都庁での密の回避や機動性を確保しつつ、バーチャル空間で申請や相談などが容易にできるよう、職員の働き方も含めて改革していくという。宮坂氏は、「有楽町から西新宿に移ったときのように、機能をまるごとデジタルに移設するつもりで取り組む。夢は大きく、はじめはペーパーレスなど地道なところから始める」と力強く語った。
また、東京のスタートアップ・エコシステム形成について「リアルでもバーチャルでも、スタートアップのアイデアや取り組みは非常に重要」と評し、「ブラウザ上からスマホアプリへとデジタル事業の戦場が移り、これからは都市がプラットフォームとなり、”アプリストア”になって、自動運転やマイクロモビリティ、ドローンなどのサービスをリアルの場で選択できるようになる。世界中にそうしたメガシティが次々と誕生しており、プラットフォームの選択はグローバルに広がっている。その中で東京が選ばれるために本気で考えなければならない」と熱く語った。
その思いのもと、長谷部氏からも紹介のあった「スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム」を2020年1月に設立。7月には国の「グローバル拠点都市」として選定され、「世界から選ばれる都市」を目指して環境づくりに邁進していくという。
宮坂氏は、「スタートアップの皆さんに『この街で挑戦したい』と思ってもらえるような東京にしたい」と語り、「その中で渋谷はアートやカルチャーも豊かで魅力的な街であり、日本のショーケースとなりうる場だと思う。そこで実証されたサービスが、東京をプラットフォームとして広がってけるような環境をつくっていきたい」とメッセージを送った。
東京都のスタートアップ支援は、産業労働局が窓口になり、ピッチイベントも多く行われている。行政の事業入札についても、スタートアップにチャンスを提供できるような機会を提供している。こうした広報活動についてはブランディングとしても行っていく予定だ。
