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「Java×クラウドネイティブ」の未来に向けて――エキスパート達が語った現状と課題

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2020/11/16 11:00

 クラウドネイティブなアプリケーション開発が浸透するなか、エンタープライズシステムにおけるJavaの未来はどうなるのか――2020年9月18日、レッドハット株式会社はこのテーマをもとにしたオンライン座談会を実施、Javaのエキスパートである同社のソリューションアーキテクト 伊藤 智博氏とマイクロソフト・コーポレーションのSr. Cloud Advocateの寺田佳央氏が登壇した。ビジネスシーンにおけるシステム要件の変化や日本におけるクラウドネイティブへの取り組み、Javaが抱える課題とその克服方法などについて、参加者も交えた議論がなされた。

目次
今回登壇した両社のJavaエキスパートたち
今回登壇した両社のJavaエキスパートたち

企業でのニーズが高まるクラウドネイティブ

 近年、社会における急速なデジタル化が進んでいる。これに伴い、ビジネスの現場では急激な変化に柔軟に対応できるよう、システムの可用性やスケーラビリティの要件が変化している。サーバレス、クラウドネイティブ技術を使ったシステムへのニーズが高まっているのだ。このような背景のなか、Javaも変革のときを迎えており、OpenJDKの機能強化やクラウドネイティブに適したMicroProfileの普及、そしてそれらの技術を導入できるフレームワークQuarkusなどの活用が進んでいる。

 座談会ではまず、ここ数年のビジネス要求の急激な変化について、モデレーターのレッドハット株式会社 アプリケーションサービスソリューションアーキテクト部 アソシエイトマネージャ 須江信洋氏から質問が投げかけられた。

 マイクロソフト・コーポレーション Sr. Cloud Advocateの寺田佳央氏は、これに対し「競合他社との競争が激しくなっています。ビジネスを成長させるには、よりよいサービスをいち早く提供する必要があり、開発期間はこれまでよりも圧倒的に短くなっています」と切り出した。

 続いて、レッドハット株式会社 アプリケーションサービスソリューションアーキテクト部 ソリューションアーキテクトの伊藤 智博氏も「ビジネスは競争力とともに、コストをいかに抑えるかも重要。このため、利用したぶんだけ支払うクラウドサービスが浸透しています。状況の変化にすぐ対応できるよう、テストや環境の変化を自動化する流れもあります。既存のオンプレミスシステムをクラウドにリフトするわけではありません」と語る。

 エンタープライズシステムは、変化対応力とともに、非機能要件を高いレベルで満たすという、ある意味相反する要件を満たさなければならなくなっているのだ。こうした要求に対応するべく、ここ数年注目されているのがサーバレスやコンテナのテクノロジーだ。寺田氏は、これらの技術がビジネスの変化に対応するために役立つとする。伊藤氏もクラウドネイティブのアプリケーション開発は有用と答える一方で、クラウドネイティブを導入するプロセスや文化が根付いていない開発の現場では選択されていない現状を述べた。

 続いての質問は、クラウドネイティブについて。どのような領域で使われているのか。特長やこれまでと異なる方法論はあるのだろうか。寺田氏は、クラウドネイティブに対応したアプリケーションを作るための方法論のひとつとして「Twelve-Factor App methodology」を挙げた。これは、アプリケーションをクラウドに展開するときに、移植性と復元力を備えて構築する方法論である。

 伊藤氏は、クラウドネイティブは技術的に活用される領域を問わず、重厚長大なシステムと連携し、その傍らで利用される場合もあるとした。特長として、素早くサービスを提供できることと、GO言語やNode.jsとともに扱われることが多く、また機能のオン/オフがあることを挙げた。

 「これまでのシステムは、起動したら起動したままでしたが、クラウドネイティブの場合、クラウドサービスを利用することで、可用性を担保しながら頻繁に機能停止できるようになりました。このため、システムが自動的に再起動されることを受容できるアーキテクチャーが必要になります」(伊藤氏)


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著者プロフィール

  • 森 英信(モリ ヒデノブ)

    スマホアプリやWebサイト、出版物といったコンテンツの企画制作を手がける株式会社アンジーの代表。写真加工アプリ「MyHeartCamera」「PicoSweet」など、提供するアプリは1100万以上のインストールを獲得。2019年にはAR(拡張現実)プログラムに関する特許を取得。自身はIT関連の取材...

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