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イベントレポート

「Java×クラウドネイティブ」の未来に向けて――エキスパート達が語った現状と課題

開発者を取り巻く現状と、エンタープライズJavaの未来に向けて

 クラウドネイティブにおけるJava実践の話題のあとは、参加者からの登壇者へのQ&Aセッションとなった。最初の質問は、Oracle JDKのLTSが有償化されたことにより、ほかのJDKが広まった点と、開発者がJava以外の言語に注目するようになった点に対する考えについて。

 寺田氏は、選択肢が増えても以前と状況はあまりかわっていないとし、それよりも、Javaの更新頻度が上がったことで、最新バージョンを追いかけたくても対応できない人がいるという点について懸念を表明した。伊藤氏は、一時のJava離れはあったが、最近は見直され、回帰傾向にあり、大企業からも相談が増えているとした。

 続いての質問は、製造業など、日本のトラディショナルな企業がクラウドネイティブに注目しているものの、レガシーなJava資産をモダン化できないでいる状況があり、何がボトルネックになっているのか、というもの。

 寺田氏は、過去の資産そのものがボトルネックになっているとし、「既存サービスをクラウドネイティブ化して移設するのは相当たいへんです。Netflixのような先端企業でもマイクロサービス化に3〜5年かけています。一方で新しいサービスには向いていますので、こちらから進めるべきだと思います」と述べた。

 伊藤氏はモダン化の必要はなく、一部の機能から切り出して、徐々に過去の資産を減らしていくことが有効であるとした。

 須江氏は、日本固有の問題としては、ユーザー企業が自社システムのガバナンスを手放し、外部の開発会社に任せている点にもあるとし、DXを推進していくためには、自分たちでデザイン・管理していく必要があると語った。

 最後の質問は、クラウドネイティブをとりいれていくべき開発者に関するもの。

 開発者も人それぞれ状況があり、すべての人に底上げを求めるのは難しいとしながら寺田氏は、「まわりに同じようなマインドセットを持った人がいない場合は、Javaユーザーグループなどコミュニティに参加してもらうのがいいです。外に出て新しい発見をすることは、すべてのエンジニアに働きかけたいです」と語った。

 ビジネス要件とのマッチングを重視する伊藤氏は「要件をしっかりと定め、必要なものにクラウドネイティブを導入する。採用数が増えていけば、開発できる人も増えていきます。こうした需要を作っていかなければならない。残念なのは、クラウドネイティブありきで要件にあわないものを作ってしまうこと。これはコミュニティからも働きかけていかなければなりません」と述べた。

 須江氏は「クラウドネイティブに対応できる人材の市場価値が高まっています。ご自身の価値を高めたい人は導入されたほうがいい。すぐに活用できなくても、選択肢のひとつとして学習しておいて損はないでしょう」と話した。

 最後に、クラウドネイティブアプリケーション開発における、エンタープライズJavaの未来について、3人から以下のコメントがあり、イベントは終了した。

 寺田氏「クラウドネイティブを進めるうえで、エンジニアの方には、技術力を高めることで自分の市場価値を高め、ハッピーになってほしい。良いエンジニアがいる企業は強くなります。企業には、エンジニアに対する報酬や福利厚生を手厚く提供するべきではないかと思います」

 伊藤氏「システム開発において、開発する側は、ビジネス要件をしっかり顧客から聞くこと、発注するほうも自分の問題だと思って依頼することが重要です。そこで最適なフレームワークを選ぶと、ハッピーになります。業務を最適化することができれば、コミュニティへの参加ができる時間も得られると思います」

 須江氏「我々は、エンジニアのみなさんに有用なディスカッションを提供していきたいので、今後もさまざまなイベントを行ってまいります」

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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