Angular 10と11で行われたそのほかの変更
Angular 10および11では、これまで紹介した以外にさまざまな変更が行われています。概要は以下の通りです。
速度改善・サイズ縮小のための変更
CommonJSモジュールは速度低下やビルド生成物のサイズ拡大を招くため、Angular 10ではCommonJSモジュールがインポートされるとビルド時に警告を表示するようになりました。また、ビルド処理で必要なくなったバンドルがAngularのライブラリーに含まれなくなり、サイズが小さくなりました。Angular 11では依存ライブラリーのインストールやビルドの速度改善が図られています。
開発をサポートする機能や体制
Angular 11の時点で、従来GitHub上に蓄積されていたAngular関連のIssueやPull Requestの分類が完了しました。今後は発生から2週間以内に分類を行うとしています。
Angular 11では、ビルド時のコマンドライン表示がより見やすく改良されました。また、Visual Studio Code用プラグイン(Angular Language Service)で、テンプレート内のジェネリック型を正しく推測してヘルプを表示できるようになりました。
新しい環境への対応
TypeScriptのバージョンがAngular 10では3.9、11では4.0に更新されました。対応ブラウザーが更新され、Angular 11ではInternet Explorer 10以前がサポートされなくなりました。Angular 11では、Webpack 5の実験的なサポートが追加されました。
まとめ
本記事では、2020年5月にリリースされたAngular 10と、11月にリリースされたAngular 11について、変更点や追加機能を説明しました。Ivyが導入されたAngular 9のような大きな変更はありませんが、使い勝手の向上や、速度改善・サイズ縮小など、従来より行われてきた改善が引き続き行われ、フレームワークとしての完成度を高めています。