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スクエニ社内に眠る一般未公開の作画を活用 「オンライン展示会」の裏側と若手デザイナーの気づきとは

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2021/01/08 08:00

 『ファイナルファンタジー』(以下、FF)、『ドラゴンクエスト』、『キングダムハーツ』など多数の人気ゲームタイトルをもつスクウェア・エニックスに、社内のクリエイターをマネジメントする専門部署「クリエイティブ推進部(以下、クリ推)」があるのをご存知だろうか。そんなクリ推が2020年秋から、世にでていない絵を含めた著名ゲームのアートワークを社内向けに披露するべく開催している「オンライン展示会」を開催した。スクエニはなぜ“インナー向け”の展示会を開催することにしたのか。実際に展示を行ったクリエイターの新たな気づきとは――。本展示会の発起人である専務取締役の橋本真司さん、クリエイティブ推進部の鹿塩武志さん、大津安徳さん、デザイナーの浅見瑠比さんに話を伺った。

目次

開催の目的は「クリエイターの絵を知ってもらうこと」

――まずは橋本さんにお伺いします。今回オンライン展示会を主催した、スクウェア・エニックス内のクリエイティブ推進部とはどういった組織なのでしょうか。

橋本 基本的にスクウェア・エニックスではゲームのタイトルごとに部署がわかれているのですが、その垣根を超えた全社横断的な部署がクリエイティブ推進部(以下、クリ推)です。2013年に立ち上げ、現在は12名のデザイナーと、業務職のスタッフ6名が所属しています。

スクウェア・エニックスには優秀なアーティストがたくさんいますが、本来の形であるタイトルごとにわかれた部署に所属しているとそれ以外の仕事に携わることがなかなかできない。そうなると、繁忙期とそうでないときの差が激しくなったり、同じ絵を描き続けなければいけなかったり、クリエイターのモチベーションを保つのが難しかったので、Aという仕事をしながらBやCにも携われる環境の構築が、クリ推立ち上げたのひとつの理由です。

また、クリエイターにとって最適な環境とはなにかを考えたときに、私はクリエイティビティを発揮することに集中できる場所だと思った。そのため、業務職と呼んでいるクリエイターをサポートする社員とクリエイターでひとつの部署を形成することで、才能を伸ばすことに特化できる体制を整えたいと考えたのが、クリ推発足のポイントです。

株式会社スクウェア・エニックス 専務取締役 橋本真司さん
株式会社スクウェア・エニックス 専務取締役 橋本真司さん

――今回行っているオンライン展示会開催の経緯についても教えていただけますか?

橋本 クリ推は横断的にさまざまなゲームタイトルに関わっている横串の部署であること。また、クリエイターの最終成果物はあくまでもゲーム画面なので、その元となる絵が表にでることもあまりないなどの理由から、どんなクリエイターがいて、どういった絵を描いているのか、つまりなにをしている部門であるかが社内からわかりづらいという課題がありました。そのため、まずはクリ推の取り組みを知ってもらうことが目的のひとつでした。

構想自体は4~5年前からありましたが、当時はクリ推のメンバーも10人いるかいないかで、見てもらう作品のボリュームが足りなかったこと、ファイナルファンタジー15(以下、FFXV)など大作のリリースが重なっていたこともあり、実行に移すことができませんでした。現在は次のナンバーの準備に入っており作品をクリエイターの皆さんから集めやすかったため、2019年の春ごろから動き始めました。

当初は、弊社のラウンジなどのスペースで、いままで世にでていなかった作画を額装して飾り、出社時や昼食帰りにフラッと立ち寄って絵をみてもらえたらと考え、今年の2月あたりに準備を完了させました。ですがいよいよお披露目というタイミングで緊急事態宣言が発令され、社員が出勤できなくなってしまった。それでもどうにか社内のメンバーに見てもらいたいという思いから、バーチャルな展示会として開催することにしたんです。

――社内にクリ推を知ってもらうこと以外に、経営陣としてオンライン展示会に期待していたことはありますか?

橋本 クリ推に所属するクリエイターのハードディスクの中には、鉛筆絵のラフから始まり、世の中にでていない完成度の高いコンテンツがたくさんあります。このゲームのあのシーンは、こんな絵で構成されていたんだ、という裏側も知りたいファンの方もいらっしゃるのではないかと思っています。

クリ推の役割は、クリエイターにプロとしてたくさんの素材を生み出してもらうこと。これは直接ビジネスにつながるものではありませんが、そういった未公開の原画にも光をあててみたいと思いました。

――今回のオンライン展示会をきっかけに、今後はどのような展開をお考えですか?

橋本 2017年に六本木ヒルズで行った「FINAL FANTASY30周年記念展」では、お客さまから入場料をいただき、秘蔵の絵コンテや立体造形物などを展示したのですが、ファンの方にとても大きな反響をいただきました。

ですので今回の展示会の展開としても、ファンの方への還元という意味もこめ、イベントを国内のさまざまな場所でやらせていただけるのが理想です。とくにFFは海外にもファンの方が多いので、日本での取り組みが上手くいけば、アジア、ヨーロッパ、アメリなど海外への展開も視野にいれていきたいですね。ですが、いまは時を急いでも仕方がない。現時点では2021年もまだ厳しいのではないかと感じていますが、お客さま向けのオフラインの取り組みも行えたらと考えています。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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