分析機能を自社で開発するか、専用ソリューションを購入するかの選択
組み込みに際して、まず初めに直面する問題が、分析機能を自社で開発するのか、それとも専用のソリューションを購入するのかといった判断だ。そこには納期や迅速な統合の必要性、自社のビジョンと一致させることができるのかといった課題があった。
だが、Yellowfinの組み込みソリューションを採用すれば、非常に簡単に統合することが可能となる。分析のソリューションを購入する際のメリットとして、まずコスト面を挙げることができる。次に開発リソースの節約だ。
そして、販売する製品やサービスに対して分析を組み込む場合には、競合に対する競争力を発揮させる必要がある。コアの製品の機能がどれだけ優れていても、分析機能がチープなままでは競争力が損なわれてしまうこと恐れがあるからだ。
「Yellowfinのソリューションを採用していただければ、この機能強化の部分は自社で開発する必要がなくなります。分析機能の組み込みを検討される際は、専用のソリューションを採用されることをおすすめします」(足立氏)
組み込み分析ソリューションの利点とは
足立氏は、組み込み分析ソリューションの利点について、さらに詳しく話を続けた。
まず1点目は持続可能な競争優位性だ。データ分析はアプリケーションのコア機能ではないため、製品の機能追加や機能拡張を検討する際には、その優先度は下がりがちになる。データをエクスポートできるようにしておいて、あとは力技で何とかしようと事例も少なくない。最新の分析のプラットフォームは、データからインサイトを素早く引き出すためのテクノロジーが備わっているものも増えている。Yellowfinもその1つである。
「そうした最新の機能を常にキャッチアップし、イノベーションに注力できる分析プラットフォームを、組み込んでいただくことによって、競合に対する持続的な優位性を獲得することが可能になります」(足立氏)
足立氏は2つ目の利点は、ユーザー体験を変革する機能を提供できることだと語る。
「例えばYellowfinの場合は、ダッシュボードに独自の機能を直接コーディングし、自動分析機能を提供することが可能です。従来のデータ分析やグラフ表示、CSV形式のレポートダウンロードなどとは、全く異なるユーザー体験をもたらすことができます。さらに、データドリブンな企業文化を促進し、その分析モジュール自体が新たな収入源になることも考えられます」(足立氏)
さらに、分析機能追加のオプションとして、アップセルの機会獲得や市場の参入のスピードアップ、コア製品の開発にリソースが集中できることなどを利点として挙げた。
組み込み分析ソリューションが持つ共通の機能
データ分析のプロジェクトを成功させるためには、組織がデータを分析できるクリーンな状態にデータを準備しておく必要がある。データ準備機能は、複数のデータソースに接続してデータを抽出するための機能を提供し、正確なデータを容易にデータ分析することができる。アプリケーションに分析機能を組み込む場合は、分析のためのデータ加工やクレンジングといったデータ準備を、バックエンドで同時に済ませておく必要が生じる。そうしたデータ準備の機能を併せ持つソリューションを対応することで、導入がスムーズになる。
「データ分析をする上で中核になるのがこのダッシュボードの機能です。ダッシュボードによって複数のレポートを1カ所で可視化し、ビジネス上の次のアクション実行を促進することが可能になります」(足立氏)
ダッシュボードは、同じトピックに基づいて複数のレポートグループにまとめることができるため、エンドユーザーはビジネスのパフォーマンスを1つの画面内で容易につかむことが可能だ。
「Yellowfinの最新ダッシュボード機能では、他システムと連携するボタンやアクションをするボタンを、ダッシュボード上にコーディングするようなことも可能です。ユーザーは、ダッシュボードを離れることなく、業務のワークフローを完了することができます」(足立氏)
組み込み分析を行う場合は、その独自のダッシュボード構築や、既存のブランドにマッチするような見た目の変更、つまりルック&フィールをカスタマイズする。エンドユーザーがビジネスをよりよく理解しようとすると、データを探索してパターンや外れ値を発見して、それを他のユーザーと共有する。それを実現するのが、データディスカバリーの機能だ。組み込み分析のデータディスカバリー機能では、業務アプリのデータから得られた気づき、インサイトを引き出し、統制された情報で共有配信を行う必要がある。さらに昨今は、拡張アナリティクスの台頭によって、データディスカバリーに自動化の機能がもたらされた。
「Yellowfinのシグナルという自動分析の機能は、データのパターンを継続的に検索し、統計的に重要な変化が発生した際には、関連するユーザーに対して自動的にアラートを通知することが可能です」(足立氏)
タブレットなど、モバイルの端末でダッシュボードやレポートを提供できることも重要である。例えば、工場で機械のパフォーマンスやダウンタイム、生産率、データディスカバリーのアラートなどを確認できることは非常に価値がある。これまで情報共有の方法と言えば、メール添付や会議の場に紙の印刷物で配布されるケースが多かった。だが、ニューノーマルの流れの中でコミュニケーションの主体は、SlackやTeams、Zoomといったツールに移り変わりつつある。
「組み込み分析を行う場合は、そうしたツールとのシームレスな連携も可能であること。そして分析ソリューションにコラボレーション機能が備えられていることによって、社会全体の働き方の変化に対応することが重要になってきました」(足立氏)
また、分析機能の組み込みをスムーズに進めるには、分析ソリューション独自のデータベースや開発言語に縛られずに、既存のスキルや最も使い慣れたツールを活用できることが重要になってくる。
「Yellowfinは独自の技術ではなく、開発者の皆さんが日頃の開発で慣れ親しんでいる技術を使えるからこそ、分析ソリューションの導入を素早くストレスなく進めていただくことが可能になります」(足立氏)
セッションでは、実際にYellowfinを組み込んでいるパートナー企業の事例が紹介された。
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