さまざまな人々が共存する「創作の街」を作るためのポイントとは
再び登場したCEOの加藤貞顕さんがテーマとして語ったのは「noteのこれから」。7周年を迎えた現状について「まだ一合目くらい」と心境を明かしたのち、noteのデザインチームが制作したビジュアル「創作の街」を公開した。
「このビジュアルをご覧いただくと、公園で遊んでいる人がいたり、ビジネスマンがいるエリアもあったりアーティストもいたり、あらゆる人々が共存しているうえで、人々がそれぞれのコミュニティで活動しているのがおわかりいただけるかと思います。イメージとしてはニューヨークが近いかもしれません。
ネット上にクリエイターが本拠地をおく。そのときにいちばんに選んでもらえる場所がnoteでありたいと考えています」(加藤さん)
これを受けCXOの深津貴之さんは、noteのありかたについて次のように語った。
「noteは単純に記事を書いてストックするサービスではなく、インターネット全体に良い価値観や良い考えかたを広げたり、知を集積していくためのプラットフォームであるべきだと思っています。
ただデータを貯めるだけでなく、設計そのもの、スタンスそのものとして、どのようにクリエイターのエコシステムを作るか。それは単に経済圏としてのエコシステムではありません。創作をしたくなったり、創作方法を学んだり、ほかの人と交流をして得たチャンスでキャリアを伸ばし、最終的にプロになる――。そういった大きなライフスパンで、クリエイターを支援することを考えています。
書く人、読む人だけでない多様な参加者、それは作る人もいれば意見を言う人、才能を見つけて盛り上げる人、そういった人たちがコンテンツを発信するプロフェッショナルとして活躍するためのゲートを開いていく企業さまなどさまざまですが、いろいろな人々が共存する場所としてnoteを捉えています。その象徴としてイメージしているのが『街』。それが僕たちのスタンスです」
そのうえで加藤さんは、創作の街を作るためのポイントとして下記の4つを提示。深津さんを交えながら解説した。
1. だれもが暮らせる多様性
「創作のためのノウハウや知識、心がけをガイドブックやセミナーなどで積極的に発信し、クリエイティブをよりしやすくすること。そしてそれをさまざまな人が発信できる環境づくりに力を注いでいる」と加藤さん。また今後強化していきたい事項として、アクセシビリティとインポート・エクスポート機能の2点を挙げた。
2. 安心安全に暮らせる
安心して創作ができる環境づくりの一環として、セキュリティの強化はもちろん、noteは当日にコミュニティガイドラインを発表した。加藤さんは「ネットで争いごとが起こりやすくなっているので、この部分は重要だと考えています」とコメント。炎上を防ぐ具体的な取り組みとして、投稿にコメントする前に『攻撃的になっていないか、一度確認してみましょう』と一呼吸置いてもらうためのポップアップ画面を設けたことなどに触れた。
「世の中の炎上や荒らしと言われる投稿は、その場の勢いであることがほとんど。トリガーは低いのに、結果は甚大という構造になっており、どちらかというと明快な悪意をもって炎上させようとしている人は極小だと思います。そのため、そういった人たちを強引に罰するよりは、投稿をする前に考え直す時間を与えることで、多くの攻撃的なコメントを減らせるのではないかと考えています」(深津さん)
3. だれもが創作できるための機能
海外のグラフィックデザインツール「Canva」と連携し、note上で多くのユーザーが見出し画像を簡単に作成することが可能になったことや、2021年3月に発表した、世界の美術館が広く公開している作品画像をnoteの見出し画像に設定できる機能について紹介。まずはメトロポリタン美術館から500点が対象となっている。この取り組みの背景について深津さんは「いろいろな人々がアートに触れ合う機会、気がつく機会を増やしていきたいという思いがあった」とコメントした。
4.創作を続けると、いいことがある
「クリエイターがコンテストを通して、企業からのスポンサードによっていろいろなコンテンツを発信する機会を得たり、クリエイターが表彰される機会をより促進する」ことを目的に、博報堂と業務提携を締結したことを発表。加藤さんは「クリエイターが新しい発表をするための場や依頼を受けて仕事をする機会を増やしていきたい」と語った。