アプリを作ったのは「“SNS”として使ってほしかったから」
――アプリ開発の構想は、いつごろからあったのでしょうか。
岩崎 いつかはアプリを開発したいという思いはずっとありました。ですが、アプリはウェブとくらべて簡単に修正しづらいこともあり、PMF(プロダクトマーケットフィット)するまではウェブでサービスを運営し、これだったらいけると思えるようになったらアプリを作ろうと考えていました。
ですが事業運営をしていて感じたのは「これならいける」と思う日って来ないんですよね(笑)。COOである佐藤からも、どこかで区切りを作ってアプリを開発しなければいけないだろうという提案をもらい、アプリ開発を考え始めるようになりました。ですが共同創業者でエンジニアの山田もアプリを作ったことがなかったので、アプリを作るすなわち、採用とセットだった。そこでいちばん最初に声をかけたのが朝日だったんです。副業として朝日がYOUTRUSTに加わったのが2020年の夏ごろ。当時は技術選定もまだしていませんでした。
――YOUTRUSTのアプリ開発で大切にしたことはありますか?
岩崎 アプリを作った大きな理由は、“SNS”として使っていただくためです。SNSは、ふとした瞬間になんとなく開いて、みんなの近況を確認し一喜一憂したり、幸せな気持ちになったりというように、日常に人とのつながりを感じるもの。わざわざウェブでURLを打って訪れる場所は、ふとした瞬間にはなりづらいですし、そのためにもアプリはマストなんですよね。
アプリ開発を通じていちばん大切にしていたのは、「SNSとして使えるにたるものか」。SNS自体の歴史も積み重なってきたこともあり、求められるもののクオリティラインが確実に上がっている。最初期のSNSとは話が違うんですよね。そのため、当然世間の人が期待しているレベルまでは第一段階のリリースで到達しなければという思いはありました。そのため、いいねがつく、メッセージをサクサク返信できる、といったSNSとしての即時的なフィードバックは不可欠な要件でした。
朝日 アプリの最低ラインとして最初に依頼されたのは、フィードが見れて、メッセージのやりとりができて、プロフィールが閲覧できて、プッシュ通知などの即時性が担保されていること。実は、夏にアプリ開発副業の打診をもらった当初は、開発期間3ヵ月で2020年10月にアプリをリリースしたいとのリクエストがありました。ミニマムの機能だけであれば、そのリリース時期を目指すことについても問題ないと思い同意したのですが、アプリに求められているものの質が高くなっていることなどをふまえ、何度かリリースのタイミングを遅らせています。
10月の直前には機能的に厳しいことから12月に変更したり、12月にリリースできる可能性もあったなか、継続的なグロースにつながる機能を追加するために再度2月に修正しました。アプリ自体の開発でいえば2月ごろに終わっていたのですが、せっかくリリースするのならちゃんと盛り上げたいと思い、2月に「ブチアゲ」と命名したプロジェクトを立ち上げ、丸1ヵ月かけて準備をしていました。
岩崎 アプリリリースまでの体制でいえば、社内でこのプロジェクトに携わってない人はおらず、全社総出で取り組んでいました。どうしたらたくさんの人に使ってもらうことができ、かつ素敵だねと言ってもらえるのかなど、マーケターも広報も開発チームもCSもセールスも私も、一丸となって考えていましたね。
朝日 実際の体制でいうと、デザイナーはフルタイムメンバーがおらずPMが兼務している状態でした。PMもひとりしかいなかったのでそういった面では大変なこともありましたが、副業メンバーふくめ、それぞれがプロフェッショナルを発揮しながら進めていくことができたと思っています。
岩崎 YOUTRUSTの提供開始当時は「何をしたらいいのかわからない」、「普通の採用サービスとの違いがわかりづらい」など厳しい意見をもらうことが多かったですが、今回のアプリをリリースしたときには、「使いやすい」、「わかりやすい」といったポジティブな反応がほとんどでした。サービスを開始したときよりも成長できたんだなと感慨深かったですね。さまざまなフィードバックをもらい悪戦苦闘してきた結果を、アプリに活かすことができたのではないかと感じています。