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ユーザー視点の採用活動を考える――エンプロイジャーニーにおける「認知」「採用」の取り組みを紹介

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4. アイディア創出

 いよいよ施策を考え、実行するフェーズです。特定された課題に適した解決策のアイデアを出していきます。

 施策を考える際には、冒頭で書いた「認知形成」「意向形成」のどちらの目的に寄与するかを整理すると考えやすくなります。

 認知形成を目的に行うのであれば、ブログ記事の継続的な発信や比較的ひらかれた勉強会イベントへの登壇、メディアへの掲載などの施策が考えられます。

 課題や形成したいブランドの方向性に応じて、ヒトに関する発信、コトに関する発信を使い分けるのもひとつの考えかたです。チームの雰囲気を伝えたり、面談の前後で理解を深めてもらうのであればヒトに関する発信があると便利です。一方、業務イメージや業務上で大切にしている考えかたといったものは、事例紹介などのコトに関する発信をすると伝わりやすいでしょう。

 また、意向形成を目的に行うのであれば、すでに接点がある方を対象にした小規模な座談会、カジュアル面談、スカウト送信、学生向けであればインターンなどの施策が考えられます。

 たとえばスカウト返信率に課題がある場合、スカウト文にメディア記事を添付するなどの工夫ができるでしょう。実際に私たちもブログによる発信を開始したあと、そのURLを候補者の方の関心領域ごとに使い分けて添付することで、返信率が著しく向上しました。

 このように、ひとくちにメディア発信やイベントといっても、目的や課題のポイントによって内容はさまざまです。これまで整理したペルソナやジャーニーにのっとり、一貫したコミュニケーションを心掛けていただければと思います。

5. 振り返り

 最後に、施策の振り返りと、社内協力の仰ぎかたに触れたいと思います。

 振り返りには、定量的なデータと定性的なデータを組み合わせるようにしましょう。定量的なデータとは、アクセス数やイベントの参加人数、定性的なデータは、SNSでの感想コメント、面談後や入社後の認知経路調査などのことです。それらを複合的に考え、はじめに考えていたペルソナのイメージと比べてどのような結果になったのかを振り返ると、改善に活かすことができます。

 感想コメントなどをまとめて社内に伝えると、採用マーケティング活動の理解を得るきっかけやモチベーションにもつながります。社内には、発信に興味関心があるメンバーがいるかもしれないので、巻き込む機会を積極的に作りましょう。弊社内でも、「自分の仕事を言語化することでキャリアの棚卸しになった」、「発信することで社外に仲間ができた」という声を聞きます。

 また、スカウト送信などこちらから働きかける施策の成果は、ブランディングのような施策と違ってある程度すぐに結果がわかるため、取り組みを続けるうえで役立ちます。採用に役立っていることが少しでも証明できれば、会社としてプロジェクトを続けやすくなるだけでなく、協力してくれるメンバーも増やしやすいでしょう。

 採用マーケティングの施策を続けるには、人事や現場デザイナーの協力は不可欠です。むしろ発信の内容を考えると、現場デザイナーが主役であると言っても過言ではありません。

 担当者レベルで小さく始めつつ、メンバーにスポットライトを当てたり、外部からの反応を味方につけ、少しずつ仲間を増やしていきましょう。

 今回は、エンプロイジャーニーにおける「認知」「採用」の取り組みについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

 こと採用活動に関しては、各社で課題感が異なるため、これをやれば万事うまくいく!というお悩み解決の事例はないと考えています。

 ですが、徹底的に候補者の視点に立つこと、そして、自社の課題を正しく理解すること。これらを通じて、真摯に発信をしていくこと。そんな基本的にも見える部分が重要だと思います。私たちも日々考え、学習しながら取り組みを続けています。

 本来採用の問題は、採用担当者の問題ではなくて組織全体の問題です。私自身は、採用マーケティングを担う立場にいますが、究極的には日々の事業を作ること自体が採用においてもブランドになり、採用マーケティング業務自体がなくなることが、ひとつのゴールなのかもしれないと考えています。

 今回の記事が少しでもお役に立ち、組織やそこで働くデザイナー、そして関わる人々が幸せな環境が実現できることを願っています。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/14384 2021/06/17 08:00

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