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熱狂を生むことができるか――世界観づくりをバルクオムのクリエイティブディレクターが語る

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らしさは「積み上げていくもの」 バルクオムがアート性を大切にする理由とは

――世界観づくりやブランディングに関わるなかで大切にしてきたことはありますか?

ブランディングの定義は、人や企業によってさまざまですが、私は「体験価値」という言葉に集約できるのではないかと思っています。とくに私たちのような有形のプロダクトがある場合、グラフィック面のデザインなどではなく、製品の香りやシャンプーの質感といったものすべてがブランド体験です。コンシューマーの手元にプロダクトが届いたときに「BULK HOMMEらしい」と感じてもらえるような体験を意識すること。これを、クリエイティブやブランドをつくるときに心がけています。

では、「らしさ」とは何かというと、自然に醸成されていくものだという考えかたもあると思いますが、私はロジックを組みながら積み上げていくものだと考えています。

そういった「らしさ」をデザインに落とし込むときに意識しているのは、BULK HOMMEのブランドコンセプトや、それにもとづいた“ブランドとして達成しなければいけないポイント”です。バルクオムでは、それらのポイントを達成したクリエイティブのアセットが確立されているので、「らしさ」の解釈で迷うことはないですね。

――「らしさ」というと、バルクオムではコーポレートサイトに「BULK HOMMEデザインの基準は、アート性」とあるのが印象的でした。なぜ、アート性を大切にしているのですか?

デザインは誰かのためを思い浮かべて作ることができますが、アートは自分の表現方法の一種。よく言われるように、私もアートとデザインは別のものだと考えています。バルクオムが大切にしているアート性というのは精神やマインドとしてのアート、つまり「スピリットオブアート」であると表現すると、イメージが湧きやすいでしょうか。

バルクオムでは、自己表現だけでなく、「自己表現に邁進すること」や「困難な現状を克服する冒険性」もアートという言葉に含まれているのではないかと考えています。アートそのものを重視してクリエイティブを制作しているというより、大切にしているのはアートの精神部分なんです。

そういったスピリットオブアートを意識すると、アウトプットがより高次元の領域に入っていくように感じています。テンプレート化されたデザインを用いるというよりも、バルクオムではアート性や冒険性を意識していきたいです。

メイクアッププロダクト開発で意識したのは「他社をあまり見ないこと」

――バルクオムのブランドに関わる中で印象深い出来ごとはありますか?

入社した当時、フェイスフォッシュやフェイスケア、ボディケア製品は自身でも使用したり、こういったロジックで作られたものだなということはイメージできたのですが、メイクアイテムをリリースすると決まったときは少しビビりましたね(笑)。

世の中で受け入れてもらえるのかという不安はもちろん、さらにBULK HOMMEらしさをビジュアルで表現し、新しい領域へと踏み込んでいくことはなかなか難しいなと。ですが我々にとってのビジョンである「世界のメンズビューティをアップデート」を体現していこうという取り組みのひとつだったので、ホームランを狙いながら、楽しく取り組むことができたと思っています。

このプロジェクトでは、優秀なプロマネや製品開発メンバーとともにメイクアップラインのプロジェクトチームをつくり、そのなかでクリエイティブ担当としてジョインしました。デザイナーの採用を進めていた段階だったので最初は私しかおらず、パッケージデザインや動画、「MAKE A NEW BASIC」というタグライン開発など、手を動かしたクリエイティブ開発も多かったです。ある程度基盤ができた段階以降は、クリエイティブチームのデザイナーに仕事を依頼するなどして進めていきました。

BULK HOMMEのメイクアップラインにおけるタグラインは“MAKE A NEW BASIC”
BULK HOMMEのメイクアップラインにおけるタグラインは“MAKE A NEW BASIC”

そのなかでとくに意識していたのは、他社の事例をあまり見ないようにすることです。

メイクがどういったものなのかを調べなければいけないのはもちろんですが、私はメンズメイクをしないこともありメイクに親しみがなかった。そうなると、見たものすべてが初めて触れるものになる分、影響されてしまうだろうと思ったからです。プロジェクトが始まってから、いくつか提供された他社製品を使用しましたが、デザインの傾向は見ないようにしていましたね。

一生ブルーオーシャンとも言われている領域なこともあり、トレンドを参考にするよりもバルクオムらしさを表現するほうがずっと大切。メイクを知らないことを強みにできたらと考えていました。

結果的に、メイクアップの広告におけるセオリーなどをインプットしないまま制作することができたので、新たな領域へのチャレンジとしての側面とバルクオムらしさを両立し、開放的なデザインを生み出せたのではないかと思っています。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/14921 2021/09/24 08:00

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