開発エンジニアとしての改善提案を機に、ITコンサルタントとして参画
現在ITコンサルタントとして活躍する惠 英里奈氏も、そうしたModisの研修カリキュラムを受けた一人。開発エンジニアとして2017年に入社し、ソフトウェア分野のエンジニアとしてプロジェクトリーダーを担い、要件定義からリリースまでを一貫して対応してきた。2019年下期からはITコンサルタントとして、不採算部門の立て直しやIT部門における経営課題を解消する業務に従事している。
惠氏は、事務職を希望して就職活動をはじめたものの、リーマンショック後の就職氷河期で募集がなく、たまたま募集のあったIT企業に入社。当時はWordが少々使える程度でITの知識はなく、テスターとしてキャリアをスタートしたという。しかし、任されたのは誰でもできるようなテストばかり。「このままではスキルが身につかない」と危機感を覚えた惠氏は、システムの詳細設計ができる場を求めて転職。その後、上流工程を担える環境を求めてModisに入社したという。
「1社目・2社目とも、教育環境がなかったため、自分でなんとかするしかなかった。当時から上流を担えるエンジニアになることを志向していた。Modisにはそうした案件が豊富にあったこと、そしてキャリアプランナー制度で自分が目指す方向へ支援してくれることが、入社の理由となった」と惠氏は振り返る。さらに面接官が「話を聴いてくれる人」であり、エンジニアを大切にしてくれそうだという確信が得られたことも大きいという。
その後、開発エンジニアとして、スマホアプリ開発においてベンダコントロールを行い、要件定義以降を全て請け負ってリリースまで完遂するというプロジェクトに参画。その際に、顧客側の開発本部長が子会社の代表取締役社長に就任し、プロジェクト時の上長とともに事業の立て直しから経営コンサルティングまでを実施することとなった。
惠氏は「コンサルタントになろうというより、縁が重なってコンサルタント的な仕事をすることになった。それもエンジニアとしてだけでなく、小さなものから大きいものまで数年に渡ってさまざまな課題を解決することに尽力してきた。役務提供のみならず、コンサルティングもできるのだという認識と信頼感を持っていただけたことが大きい」と経緯について語る。中でも印象に残っているプロジェクトとして、人事給与システムなど基幹システムのリプレースと人事BPOの立ち上げ支援をあげた。
プロジェクトには、システムを導入する部隊とは別に、ユーザー側の立ち位置で参画し、必要となる人事のインプット情報の整理、全体的な業務の設計、問い合わせ窓口の整備を手掛けた。これらは、顧客とともにプロジェクトを進める中で課題として発見されたものだという。さらにシステムが変わると同時に使う人も変わること、プロジェクト自体が1年も遅延していることなど、課題の多い状況だった。
しかしながら、ユーザー側と開発側で主張するポイントが異なっており、意思疎通ができなかった状況下で、惠氏は間に立って橋渡し役としての存在感を発揮。ITについて知る人がユーザー側に立って、業務とITの仲立ちをすることの価値を実感したという。