最先端の技術で日本のコンテンツを世界に
続いて小林氏は、TEGを支える社内システムの概要図を示した。大きく「共通」「リアル」「バーチャル」の3分野に分かれており、「共通」の部分では主に顧客データの管理と認証を受け持つ。「リアル」の部分ではRED° TOKYO TOWERの入場チケットの販売や、物販、飲食物の販売を管理している。
小林氏が今後伸ばしていきたいと語るのが「バーチャル」の領域だ。ECで日本の多種多様なIPに関連する商品を販売する。もちろん日本国外のユーザーにも積極的に販売していく。そして、独自の暗号資産(トークン)も展開している。「RED TOKEN」という名称で、世界12カ所の暗号資産取引所にすでに上場している。現時点では暗号資産のやり取りに必要なウォレットなどの基盤となる部分ができたところだが、今後はより広い用途で使えるようにしていきたいと小林氏は話す。
例えば、RED° TOKYO TOWERの入場チケットをトークンで購入できるようにしたり、ECでの買い物にトークンを使えるようしたりするという。さらに、eスポーツ大会を開催したときに、参加料をトークンで支払えるようにして、賞金もトークンでもらえるようにもしてきたいと将来像を小林氏は語る。また、「ドル、ユーロ、円など、ユーザーごとに通貨がそれぞれ違っていたら、いろいろ面倒なことが残る。世界共通で使える通貨であるトークンなら、世界各国の人が同じ通貨でいろいろ楽しめる」と、トークンを導入することによるメリットも挙げた。
そして、メタバースにも挑戦する予定だという。これは、RED° TOKYO TOWERを訪れた外国人観光客が本国に帰ってからも、日本の文化に触れられる環境を作りたいという考えからだ。例えばメタバース上でコンテンツを配信したり、メタバースの中でeスポーツ大会を開催したり、メタバースの中で開催するイベントでトークンを使ってもらうといったことを考えているという。
メタバースの開発は、スクエア・エニックスから独立したJP GAMESという企業と提携して進めている。将来は自社のメタバースに限らず、いろいろな企業のメタバースとつながって、マルチ・メタバースともいうべき世界を作っていきたいと小林氏は構想を語った。そして参加者に向けて、日本の文化を世界に広めるために力を貸してほしいと訴えた。