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ドキュメント作成にはMS-Wordを使おう

【複数の人でドキュメント作成】MS-Wordを使ってスムーズなチーム開発をしよう

ドキュメント作成にはMS-Wordを使おう  第2回

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 前回は、MS-Word(以下、ワード)でドキュメントを記載するための管理構造と、その構造を中心にこれだけは知っておくべきという機能について紹介しました。第2回は、複数の人で同じドキュメントを更新する場合に役立つ便利なワードの機能を中心に紹介します。また、ちょっとだけ知っているとより便利になる機能やTIPSについても紹介します。

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はじめに

 前回は、ワードの簡単な利用方法だけでも、十分なレベルの技術関連文書が記述できるということについて紹介しました。

 ある程度、体裁と情報が整理されたドキュメントがあると、自然とプロジェクトに参加する人達が、そこに情報を集約したいというニーズが生まれてきます。

 そのようなフェーズになると、複数の人で同じドキュメントを更新するようになってきます。そこで、そのような場合に役立つワードの機能を中心に今回は紹介します。

簡単な計算式を挿入する方法

 技術ドキュメントを記述する際にテーブルを使ったレイアウトをよく利用します。この際にたまにではありますが、簡単な計算した結果を挿入したい場合があります。

 エクセルのオブジェクトを挿入してしまうという方法もありますが、簡単な計算であれば、ワードの機能だけで実現が可能です。その場合には、図1のようにして計算式を埋め込み、計算結果を挿入できます。

図1:テーブルの記入と計算式メニュー
図1:テーブルの記入と計算式メニュー

 まず、(1)のように計算結果を出力するセルにカーソルを移動し、[レイアウト]メニューの[計算式](2)をクリックします。

 すると、図2のように計算式を設定するダイアログが表示されます。

図2:計算式の挿入ダイアログ
図2:計算式の挿入ダイアログ

 利用出来る関数もエクセルのように多くはなく、たった19個しかありません。ただし、一般的に利用するような関数は表1のようにそろっています。

表1:主に使用する関数一覧
機能名 説明
AVERAGE かっこで指定された範囲の値の平均値
COUNT かっこで指定された項目の数
IF 最初の引数の論理結果を評価。trueの場合には2番目の引数、falseの場合には3番目の引数を返す
MAX かっこで指定された範囲の最大値
MIN かっこで指定された範囲の最小値
MOD 引数1を引数2で割ったあまりの値
SUM かっこで指定された範囲の合計値

 また、範囲の指定方法が少々独特な部分があり、リスト1のように指定します。

リスト1:関数での範囲の指定方法例
// 上側のセル全体の値
=SUM(ABOVE)
// 下側のセル全体の値
=SUM(BELOW)
// 左側のセル全体の値
=SUM(LEFT)
// 右側のセル全体の値
=SUM(RIGHT)
// セルの左側と上側の値
=SUM(LEFT,ABOVE)

 このように単純な範囲の指定しかできないので、ドキュメント上で数値から結果を導くような計算はできません。もし、そのようなニーズがある場合には、エクセルの表を埋め込むか、結果のみの転記が望ましいと思います。

 詳しい説明はMicrosoft 365のサポートページにあります。

 また、値を更新してもエクセルのように自動的に値が変わることがありません。

 そのため、図2のように計算結果を更新したい場合には、[フィールド更新]をクリックして値を更新する必要があります。

体裁を整えるためにヘッダー・フッターを活用しよう

 ヘッダーやフッターを使うと、印刷もしくはPDF出力時により体裁が整ったドキュメントを作成できます。特にドキュメント量が多くなると、ヘッダーやフッターを使ってドキュメントの情報を記しておくことは大切になります。

 また、お客さまに提出する場合には、コピーライトの挿入や会社名をすべてのページに挿入したい場合があると思います。そのような場合に便利な機能です。

ヘッダーにページ番号を挿入する

 ページ数をすべてのページに挿入する場合には、図3のように[ヘッダーとフッター]メニュー(1)を選択します。続いて、[ページ番号](2)を選択すると、挿入できるサンプルが(3)のように表示されるので選択します。

 その際に希望通りの形式がなくても、あとで編集できるので、最も似たもので構いません。

図3:フッターへのページ番号の挿入
図3:フッターへのページ番号の挿入

任意のドキュメント情報を挿入する

 先ほどは、メニューを使ってフッターを作成しましたが、任意のドキュメント情報を挿入することも可能です。例えば、ページ総数を挿入したい場合などがあります。その場合には、図4の手順で挿入します。

図4:任意のフィールド値を挿入
図4:任意のフィールド値を挿入

 [挿入]メニュー(1)を選択し、続いて[クイックパーツ]メニュー(2)をクリックします。続いて[フィールド]をクリックすると、(3)のようなダイアログが表示されます。

 ここで、ページ総数は[文書情報](4)に分類されます。実際に挿入したい情報のコードがあらかじめ分かっていないのであれば、この分類から自分がほしい情報を探してください。

 そして、フィールドの名前一覧から、[NumPages](5)を選択し、[OK]ボタンを押すと挿入可能です。

 例えば、図5のように最後に保存した時間とファイル名をフッターなどのすべてのページに挿入しておけば、あとでその資料の最新版を他の人が見る際に便利になります。

図5:ファイル名と保存時間の挿入
図5:ファイル名と保存時間の挿入

 ファイル名を挿入するには、FileNameを使用します。また、DocPropertyのLastSavedTimeを使えば保存された日時を埋め込むことができます。

 このような情報をヘッダやフッタ、もしくは、本文中に入れておくことで、印刷された紙が最新のものであるかなどが簡単に確認出来るようになります。ちょっとした機能ですが、チームで共有している場合には役立つ情報となるはずです。

 また、クイックパーツはヘッターやフッターに挿入しますが、本文内にも可能です。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 小林 昌弘(コバヤシ マサヒロ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

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