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Developers Summit 2023 セッションレポート(AD)

「Test Automation Circles」に当てはめて考える、自動テストを組織に浸透させる方法とは?

【10-A-3】コラボレーションがテスト自動化の成否を分ける

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浅黄氏がみつけた自動テストが失敗する要因とは?

 続いて浅黄氏は、自動テストが継続できなかった失敗事例2つを紹介し、テストオートメーションサークルにあてはめた。

失敗事例は以下の表の通り。

表2:失敗事例
テスト対象 テストタイプ テストケース数 実行トリガー UI

事例

5

BtoB Webシステム(IoT) 機能テスト 60 デベロッパーが必要な時 Webブラウザ(Chrome)

事例

6

BtoC Webシステム(管理系) 機能テスト 45 Merge時選択 DockerChrome
失敗事例におけるテストオートメーションサークルの各要素
失敗事例におけるテストオートメーションサークルの各要素

 問題はベースだった。事例5の場合は開発チームとテストチームの責任範囲が違っていて、お互いの仕事に興味を持てない状態が続いていた。事例6も同じようにチーム内でのテストに対する興味が薄かった。

 浅黄氏はこれまでの経験から、テストオートメーションサークルの中心のコアから外側に行くに従って物事を決めていくとうまくいくと説明した。たとえば、ツールの導入はアーキテクチャに属するが、これを目的にすると、何のために行うかがわからないため、うまくいかない。最初にツールが決まっていてもいいのだが、「なぜ自動テストをするか」をまず確定しておきたい。そして、次のコンセプトでは戦略や範囲を決めることで、その先のアーキテクチャにおいて採用するツールの選定がしやすくなり、モニタリングとコントロールもうまく機能する。

 しかし、このような手順で準備しても失敗するケースはある。浅黄氏は、アーキテクチャ層と、モニタリングとコントロール層との間に深い溝が生じることがあると指摘した。それぞれを担当するメンバーの責任範囲が異なる場合が多く、お互いに関心を持てなくなってしまうことが多いのだ。自動テストを機能させるには、そのベースが非常に重要となる。

 浅黄氏は、ベースを構成する要素を示し、なかでも人的リソースとチーム、文化の調和が重要だと唱えた。開発者やSRE、インフラ、運用など、関係する人々のコラボレーションがうまくいかなければ、自動テストの文化も育たないのだ。

コンテキストを共有したメンバー同士の調和が必要
コンテキストを共有したメンバー同士の調和が必要

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「共に働く」「協力する」「協調する」ことが大切

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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