ガートナージャパンは、デジタルトランスフォーメーションを真の意味で成功させるには、業務改革の取り組みから始めることが重要であるとの見解を、4月9日に発表した。
同社によれば、デジタルトランスフォーメーションの実現を目指して、その推進を担当する役員や組織を有する企業が増加する一方で、競争力のあるビジネス価値を創出する抜本的な「トランスフォーメーション」に成功すると考える企業の割合は、依然として少ない状況にあるという。同社はそのおもな要因として、以前からの属人的な業務の継続や縦割り型組織による連携の不足を指摘する。
日本企業の多くが取り組む「デジタルトランスフォーメーション」は、老朽化したシステムの刷新、人手不足解消のための自動化ソリューションの導入といった形で推進されることが多く、最終的に顧客へ価値を提供するためというよりも、目前の課題解決に主眼が置かれており、結果として現行業務をデジタルで再現するだけに留まる傾向がある。
変化に敏感で、必要な対処を着実に実施してきた企業においては、デジタルテクノロジを適切に活用してCX(カスタマエクスペリエンス)のように可視化・定量化の難しいものも含め、効果的なビジネス価値の創出および顧客への提供が見込まれる。一方、業界における何らかの変化や突然訪れる大きな変化に対処しきれず、競合他社から後れを取った企業では、現行業務の再現では不十分であり、さらなる投資が必要であると気づいた時点で、すでに追随不可能なほどの大差がついてしまっており、市場への投入スピード、顧客への影響力といった観点から競争力を失ってしまう結果となる。
こういった状況をふまえて、ガートナージャパンは2027年にかけて、現行業務を再現するだけのIT投資の90%は迫り来る変化に対応できず、市場競争力を失うおもな要因になるとの予測を示した。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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