ガートナーは5月22日、「ガートナーデータ & アナリティクス サミット」において「2024年のデータ/アナリティクス(D&A)のトップ・トレンド」を発表した。これらのトレンドは、組織的および人的な問題を含む多様な課題を浮き彫りにしている。
同社によると、ITリーダーは以下のトレンドを自社のD&A戦略に反映させるべき。
「必要に応じる」から「ビジネスを賭けた難題解決」へ
AIが戦略レベルで業界に革命を起こし続ける中、D&AリーダーはAIを活用してビジネス上の課題を解決するスキルを示し、企業内でAI戦略の主導を担う信頼を獲得する必要がある。
またAIによってビジネスのあり方が変化する一方、企業のコストは増加している。D&Aリーダーは、FinOps(財務オペレーション)の実践によって標準を設定・適用し、経費を削減すべきである。
「混沌」から「管理可能な複雑性」へ
多くのD&Aシステムは取り扱いが難しく、冗長性が混乱やコスト増の原因となる。複雑性に対処するには、エコシステムで何が起きているかを理解する必要がある。D&Aをサプライヤー、顧客、パートナーに拡張することで、全社的なビジネスプロセスやオペレーションを改善できる。
また、自動化と生産性向上のため、AIに対応したツールの利用も有効。これには「拡張データ管理ツール」「意思決定の自動化」「自然言語処理(NLP)」などの拡張アナリティクス機能への投資が含まれる。
「唯一の真実の源泉」から「清濁合わさった洪水の中」へ
生成AIのアクセシビリティと効率性が向上する中で、データの信頼性が常に疑問視される世界を舵取りをする必要がある。組織内の信頼の欠如、データの価値と品質に対する懸念、AIに関する規制は、ステークホルダーからの不信を招く。
「過度の負担」から「権限を持った個人」へ
組織は、従業員のAIリテラシーの向上のため育成プログラムに投資する必要がある。AIエキスパート・ユーザーに必要なスキルセットが他の一般ユーザーとは異なることを認識し、複数のアプローチを組み合わせることが重要。
また、分析に基づく意思決定をユーザーが行えるようにするためには、能力だけでなく権限も付与することが大切。そのためには、適応型のガバナンスを導入し、情報資産の管理に信頼ベースのアプローチを取り入れて、ユーザーが利用する情報の来歴を継続的に把握する必要がある。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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