システム開発のリプレイス、8割強が「元々の開発会社のコミュニケーションの質の低さ」を実感　もばらぶが調査

　もばらぶは、システム開発（Webサービス、モバイルアプリ、基幹システム構築）に携わっており、元の開発会社から他社にシステム開発・改修のリプレイス（乗り換え）を行ったことのある企業の経営者・役員、経営企画・経営管理、情報システム担当者を対象に実施した、システム開発・改修のリプレイスに関する実態調査の結果を6月19日に発表した。同調査は6月3日〜4日の期間に行われ、107名から有効回答を得ている。

　調査対象者に、元の開発会社ではなく他社にシステム開発・改修をリプレイスした理由を尋ねたところ（複数回答）、「成果物の質が低かった」（35.5％）がもっとも多く、「技術力に不満があった」（33.6％）、「料金が予算と合わなかった」（26.2％）がそれに続いた。

　システム開発・改修でのやり取りをする中で、開発会社のコミュニケーションの質が低いと感じたことがあるかを尋ねた質問では、「非常に感じたことがある」が29.0％、「やや感じたことがある」が51.4％となっている。

　開発会社のコミュニケーションの質が低いと「感じたことがある」と答えた人に、質が低いと感じたシーンを尋ねたところ（複数回答）、「要件定義での認識の齟齬が頻発した」（58.1％）、「質問や相談に対する対応が遅かった」（51.2％）、「気軽に相談できる雰囲気ではなかった」（38.4％）が上位を占めた。

　他社でシステムの開発・改修のリプレイスを行う際に、気をつけたこととしては（複数回答）、「改修するシステム仕様の要件定義などを確認した」（50.5％）が最多となり、以下「コストの見積もりを明確にした」（39.3％）、「乗り換えの背景を明確に伝えた」（37.4％）が続いている。

　その他、他社でシステムの開発・改修のリプレイスを行う際に気をつけたことを自由に答えてもらったところ、「既存システムとの互換性」「自社の要件を理解してくれること」といった回答が寄せられた。

　システム開発・改修をリプレイスしたいと感じる企業の特徴を尋ねた質問（複数回答）では、「価格と提供サービスのバランスが適切であるか」（52.3％）がもっとも多く、以下「納品後の運用や開発に関するサポートがある」（45.8％）、「明確で一貫性をもつコミュニケーション力がある」（42.1％）が続いている。

　他社にリプレイスを依頼して、引き継ぎの最中に課題を感じたことがあるかを尋ねたところ、「ある」が65.5％、「ない」が28.0％だった。

　他社にリプレイスを依頼して、引き継ぎの最中に課題を感じたことが「ある」と答えた人に、どのような課題が生じたかを尋ねた質問（複数回答）では、「前の開発会社の引継ぎ資料が不十分だった」（60.0％）、「引継ぎ後にエラーなどが発生した」（51.4％）、「成果物の質が不十分だった」（44.3％）が上位となっている。

　その他、他社にリプレイスを依頼して、引き継ぎの最中に生じた課題について自由に答えてもらったところ、「暗黙知の文字化」「他社に変えて今まで見えていなかった欠点などが見えてくるようになり、その対応に追われた」といった回答が寄せられた。