リモートワークの健康とコミュニケーションの課題に、有志で立ち向かう
ERP市場 人事・給与業務分野でシェアNo.1[1]を誇る、統合人事システム「COMPANY」の提供元として知られる株式会社Works Human Intelligence(以下、WHI)。「複雑化・多様化する社会課題を人の知恵を結集し解決することで『はたらく』を楽しくする」をミッションとして掲げる同社では、有志によるプロジェクト「Works Healthy Project(以下、WHP)」を立ち上げ、"健康”をキーワードとして活動しているという。2009年に発足後、活動は約15年に渡り、現在は約30名で運営されている。
[1]2022年度 ERP市場 - 人事・給与業務分野:ベンダー別売上金額シェア
出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2024」
「人は楽しくないと動かない。そこで社員目線で企画し、健康作りを"楽しく”実現することにこだわった」と発地氏が語るように、近年はオンラインでのウォーキング大会「Connected Walking」を年2回、新卒研修版と全社版を実施したほか、有志メンバーでオリジナルTシャツを制作・着用して企業対抗駅伝にも参加するなど、活発に活動している。このような活動もあり、WHIは2024年に「スポーツエールカンパニー」(スポーツ庁)と「健康経営優良法人」(経産省)に認定された。
発地氏は、1日あたりの歩数と予防できる病気の関係について示し、厚生労働省より1日約8,000歩以上の身体活動が推奨されていることを紹介。しかしながら、テレワーク中心の働き方をしているエンジニアは生活習慣病のリスクが高まる3,000歩以下の人も多いという。
そこで大切なのが自分の現状を把握し、自身で健康を管理することだ。さらに会社としてそうした社員の活動を支援する上で、健康の重要性を理解し、継続のコツや仕組みを知る必要がある。
そもそも、こうした健康課題が顕著になったのは、2020年以来のコロナ禍による働き方の変化によるものが大きい。在宅勤務が全社展開され、勤務場所の自由度が高まり、その結果さまざまな問題が生じるようになった。それはWHIでも同様だったという。
同社の社内調査によると、歩行時間が減り、肥満割合が増加、健康面での課題を感じる人が増えた。またコミュニケーションの減少やメンタル不調という問題も生じている。従来WHIでは、“偶発的な出会い”を促進するため、社内カフェや運動会などの懇親イベントを開催していたが、コロナ禍により実施されなくなり、サークルや部活も消滅。誰もが閉塞感を感じていた。
しかし、エンジニアが高いパフォーマンスを発揮し、チームの垣根を超えてイノベーションを起こすには、“健康と協働”が欠かせない。そこで、これらの問題を解決するために、WHIではバーチャルオフィスやSlackのtimes(分報)などさまざまな施策を実施してきた。WHPもオンラインラジオ体操などを実行したが、回を重ねるうちに参加者は次々と離脱するようになったという。