SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2025 セッションレポート(AD)

プルリクマージ数10倍を実現! 新卒1年目が挑戦したDevOps定着への道

【14-A-8】新卒1年目が0から始めたDevOps~プルリクマージ数を8倍にした開発プロセス改善~

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

問題のあるPRを地道に削減、文化の醸成は泥臭く

 問題のあるPRを島田氏はどのように減らしていったのか。問題のあるPRのうち、まず「開発自体は進んでいるが、何カ月も開発中のPR」から見ていく。当時の機能開発の流れは、よくあるフィーチャーブランチ運用だ。この運用方法では、フィーチャーブランチの生存期間が長い(3〜6カ月)という問題があった。この間、都度コンフリクトを解消したり、ライブラリのアップデートに対応したりと、常にメインブランチに追従し続けなければならない。

 そこでリリーストグル(フィーチャーフラグ)を導入することにした。リリーストグルによって、コードのデプロイと機能のリリースを分離でき、開発中のコードもメインブランチにマージすることができる。結果、PRの生存期間が短くなり、コンフリクトの発生数が減少。副次的な効果として、本番環境で動かせるので環境起因のバグに気付けたり、関係者にβ版を開放してフィードバックをもらったりできるようにもなった。

 もうひとつの課題である「放置されてコンフリクトまみれになったPR」はどうか。泥臭くシンプルに、PRを古い順に並べて、作った人と一緒にその場で閉じていった。入れられるものはマージして、練り直す必要があるものはクローズしてタスクに戻したのだ。これを10回ほど繰り返したところ、3カ月かけてPRを40件にまで減らすことができた。

 放置されていたPRを閉じたことで、リードエンジニアがすべてのPRに目を通せるようになり、技術的に考慮が必要な箇所を早い段階で指摘できるようにもなった。その結果、開発中の大きな手戻りが減るという効果を得られたという。

PRは閉じても増える。「人間BOT」と名づけ、地道に続けている
PRは閉じても増える。「人間BOT」と名づけ、地道に続けている

 PRの削減を通じてDevOpsを実践したことで、「組織文化の変化」「定量指標の変化」「顧客や社内からの反応の変化」という3つの変化が生まれた。

組織文化の変化

  • 新機能開発時、「まずはフィーチャーブランチを切っていた」ところから、「まずはリリーストグルを作る」ように
  • 「PRのサイズが大きくなってしまうのは仕方がない」という価値観だったところから、「PRのサイズは小さくするのが当たり前」という価値観に
  • 放置されたPRは今まで「誰も気にしなかった」ところから、「チームで毎日確認」するように

定量指標の変化

  • マージ済みのPR数(1人あたり):DevOpsを始める前は4.3件、2年後の同時期は40.9件と約10倍になった
  • リードタイム:DevOpsを始める前は7週間(622.6h)、2年後の同時期は3週間(375.9h)と半分以下に

顧客や社内からの反応の変化

  • 社内:対応スピードの改善を実感
  • 顧客:「嬉しい改善」「アップデート助かる!」など喜びの声

 最後に島田氏は、「今回紹介した以外にも技術的な解決策は講じてきたが、改善の効果を発揮するためには文化があってこそ。文化をつくるには泥臭い解決法も必要だと感じた。そして、やはり組織にDevOpsを根付かせるには、考え方ではなく言動から変えることが重要であり、チームがプラクティスを実践するためのきっかけづくりが大切だ。DevOpsを定着させるのは大変だが、その価値はある。ぜひあきらめないで挑戦してほしい」と語り、セッションを締め括った。

Linyは、LINE公式アカウントの配信・運用・管理をサポートするツールです

 顧客とのやりとりの中で、好みの属性を自動で収集・管理することができ、集めた顧客情報をもとに、一人ひとりの嗜好に合わせた情報だけを配信できるので反応率・売上のUPにつながり、運用負担も軽減します。また、LINE公式アカウントと、CRMやMAツールとの連携にも対応しています。お問い合わせはこちらから。

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2025 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

篠部 雅貴(シノベ マサタカ)

 フリーカメラマン 1975年生まれ。 学生時代、大学を休学しオーストラリアをバイクで放浪。旅の途中で撮影の面白さに惹かれ写真の道へ。 卒業後、都内の商業スタジオにカメラマンとして14年間勤務。2014年に独立し、シノベ写真事務所を設立。雑誌・広告・WEBなど、ポートレートをメインに、料理や商品まで幅広く撮影。旅を愛する出張カメラマンとして奮闘中。 Corporate website Portfolio website

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ソーシャルデータバンク株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/21148 2025/03/31 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング