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「EMConf JP」レポート

脱・「スーパーマンに頼るエンジニア組織」──“強制的な遊び場”づくりから始める構造改革

スーパーマンに頼らない"分権型組織"で作る強い開発チーム


「器」だけ用意してやり方は任せる──分権型組織の設計図を探る

 属人化を脱却し、組織の力で横断課題を解決するために三谷氏が考案したのが、サーバーサイド部内における「分権型組織」の構築、すなわち「委員会制度」の導入であった。

 これは、事業の最優先事項を担う縦割りのMission Teamとは別に、組織の成長を阻害する重要課題に横ぐしで取り組む少人数の特命チームを組成する仕組みだ。委員会はその課題解決のための実行と結果の責任を負い、またどのように解決していくのか決める権限も持つ。加えて、委員会には必ず1名の委員長を任命し、やり切る責任を負う。

委員会制度の概要
委員会制度は、横断課題を解決するための仕組みとしてスタート

 委員会を機能させるため、三谷氏は3つの基本コンセプトを設定した。第1に、重要な課題を詰まらせないための「器」を作ること。第2に、意思決定スピードを上げるための「権限委譲」。第3に、活動を通じた「人材育成」である。

 まず、器の設計として、EM陣が徹底的な議論を行い、組織が抱える根本的な課題を抽出した。その結果、「サービスの品質維持・向上」「AIなど将来技術への投資」「技術発信・採用力強化」「保守運用負担の軽減」という4つの注力領域を定め、それぞれに対応する「品質委員会」「チーム連携最大化委員会」「投資委員会」「広報委員会」を発足させた。変化の激しい環境に適応するため、活動期間は半年間と区切り、期ごとに必要なテーマへと柔軟に変更する運用とした。

委員会制度で注力した4つの課題領域
委員会制度で注力した4つの課題領域

 第2の権限委譲において特徴的なのは、課題の設定をあえて「抽象度の高い」状態で現場に渡した点である。EMが「このエラーを直してほしい」と指示を下すのではなく、「品質に関する課題全般を任せるので、何をどう解決するかは委員会で決めてほしい」と委ねた。RACIチャート(責任分解マトリクス)を明確に定義し、委員長に説明責任を持たせる一方で、実行手段の決定権を現場に譲渡したのだ。

次のページ
バッチ処理の監視、CI高速化、技術広報の躍進──委員会制度がもたらした効果とは

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この記事の著者

中野 佑輔(編集部)(ナカノ ユウスケ)

 日本総合研究所を経て2025年よりCodeZine編集部所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/23623 2026/03/27 09:11

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