はじめに
昨年Microsoftが約束したように、今度の新しいVisual C++では、ネイティブコードによる開発と、ネイティブとマネージドの世界を融合するコードの部分に重点が置かれています。
すべての機能をC#やVisual Basic.NETなどのマネージドオンリー言語と同等に維持しても、それではVisual C++の製品としての意味がありません。マネージド機能との同等性を重視すればするほど、Visual C++という製品の本来の領域、つまりネイティブコーディングおよび相互運用コーディングからは遠くなっていきます。
Visual C++ 2008は、Microsoftのネイティブコードへの新たな取り組みを大きく反映し、この10年で初めて、MFCを刷新してWindowsコモンコントロールライブラリをフルサポートします。単にWindowsをカバーするだけでなく、Visual C++チームはVisual C++ 2008 Feature Packもリリースし、Visual StudioおよびMicrosoft Office風ユーザーインターフェイスを持つアプリケーション開発のサポートを組み込んでいます(現在、このFeature PackはBeta版であり、ここからダウンロードできます)。このMSDN Webサイトの記事で説明されているように、MFCの更新は、MicrosoftのVisual C++チームとパートナー関係にある外部企業(BCGSoft社)が行いました。
Visual C++ 2008 Feature Pack Beta版をインストールするときは注意が必要です。インストーラにバグがあり、Visual Studio 2008の完全インストールを選択しないとインストールが終了します。また、Visual C++/Visual Studioがインストールされているオリジナルメディアを利用することもできません。このような問題を最も簡単に解決するには、ディスクドライブにVisual Studio 2008 DVDをセットするか、Visual Studioをインストールした元の場所へのネットワークアクセスが可能であることを確認します。
Feature Pack(ダウンロードサイズは303MB)にはドキュメントが含まれていません。そのため、新しい機能について説明する2つのCHMファイルをMSDNから別途ダウンロードする必要があります(ダウンロードサイズは3MB)。
このFeature Packは、明確な2つの機能領域に分かれており、MFCの更新とTR1機能があります。TR1は、C++言語に一時的に追加される機能で、C++0xリリースでC++の新機能として正式に採用されるかどうかは未定です(なお、0xは今後10年のうちに新しい規格が採用される可能性を示すものです)。TR1の詳細については、このMSDNブログの投稿記事に記載されており、今後の記事でもさらに詳しく取り上げられる予定です。