はじめに
本連載では、PHP上で動作するアプリケーションフレームワーク「Zend Framework」について紹介します。前回に引き続き、今回もZend_Formの解説を行っていきます。前回はZend_Formを利用するのに必要な最低限の紹介を行いましたが、今回はもう少しつっこんだ解説をしたいと思います。
具体的にはフォーム要素のグループ化(表示グループとサブフォーム)、Zend_Formの表示を変更する仕組み(デコレータ)、そしてメッセージの日本語化について紹介します。なお、今回からはZend Framework 1.6.0を前提にします。一部の機能(CAPTCHAの利用など)はZend Framework 1.6.0以上でないと使えませんので、可能ならアップグレードして下さい。
とは言っても、Zend Framework のアップグレードは簡単にできると思います。今までの読者の方でしたら
- 新しいZend Frameworkをダウンロードし、「C:\」に展開
- 「PHP.INI」を書き換える
だけで対応できると思います。
筆者の場合には include_path の行を次のように書き換えました。
include_path = ".;C:\Program Files\PHP\pear;C:\ZendFramework-1.5.3\library;"
↓
include_path = ".;C:\Program Files\PHP\pear;C:\ZendFramework-1.6.0\library;"
対象読者
PHPの基本構文は一通り理解しているが、フレームワークを利用したことはないという方を対象としています。
これまでの記事
- 第1回:フレームワークの全体像とインストール
- 第2回:Hello World!アプリケーションの作成
- 第3回:PHPでMVCアプリケーションを構築しよう - Zend_Controller(前編) -
- 第4回:PHPでMVCアプリケーションを構築しよう - Zend_Controller(中編) -
- 第5回: 第5回:PHPでMVCアプリケーションを構築しよう - Zend_Controller(後編)-
- 第6回:抽象化レイヤによるデータベースアクセス手法 - Zend_Db(前編) -
- 第7回:抽象化レイヤによるデータベースアクセス手法 - Zend_Db(後編) -
- 第8回:Zend Framework におけるビューの処理 - Zend_View(前編) -
- 第9回:Zend Framework におけるビューの処理 - Zend_View(中編) -
- 第10回:Zend Framework におけるビューの処理 - Zend_View(後編) -
- 第11回:検証機能を含むリッチフォームの作成 - Zend_Form -(前編)
必要な環境
Zend FrameworkはPHP 5.1.4以降とWebサーバがインストールされている環境で利用可能です。本稿ではWebサーバとしてApache 2.2を、OSにWindows XPを採用し、アプリケーションを作成していきます。
以下に、今回アプリケーション作成/動作確認に用いた環境を示します(インストールにあたっては最新安定版の使用を推奨します)。各項目の詳細なインストール手順は、「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」より「サーバサイド環境構築設定手順」を参照ください。
- Windows XP SP2
- PHP 5.2.5
- Apache 2.2.8
LinuxやFreeBSDなどUNIX系OSをお使いの方もコマンドはほぼ一緒ですので、パスなどは適宜読み替えてください。