Windows Azureでの開発
続いて、Azureを実際に導入した事例としてJTBの旅行アルバムサービスを行うサイト「TORIPOTO(トリポト)」が紹介された。このサイトは旅行写真のアルバム管理と画像共有を行うウェブサービスで、Silverlightを応用して画像の加工や編集ができることが特徴だ。プレゼンターは、JTB情報サービス 取締役副社長 北上真一氏。同社はホストコンピュータとの決別を目標にサービスプラットフォームの構築を進めているそうだ。既に99.5%ほど移行が進んでおり、今回のTORIPOTOも思った以上に簡単にサービス構築が可能だったという。



さらに、Azureのエンタープライズ向けサービスとして、.NET ServicesとSQL Data Servicesについてと、コンシューマ向けサービスとしてWindows Liveとの連携などのプレゼンテーションも行われた。
Azureは、Javaなどのプラットフォームに依存しない「相互運用性(Interoperability)」と「既存リソースの継続利用」という2つの原則があるといい、これらはエンタープライズアプリケーションでは重要と考えている。SQL Data Services(SDS)では、特段の追加インストールなしでSQL Server上にAzureサービスを構築できる。SDSはAuthority(DBの構造、データの構成など)、Container(コンテナ)、Entity(データ)というデータモデルを採用し、SDSのAPIはこれらへのアクセスを与えるものだそうだ。.NET Servicesは、アクセスコントロールとサービスバス、ワークフローサービスを提供する。アクセスコントロールは、ActiveDirectoryなどのID情報を利用し、クラウド側での認証に使えるようにし、サービスバスは、ユーザー側のホストとクラウドの間を仲介するパスを提供する。
Liveとの連携では、Windows LiveのAPIを利用したクラウドサービスの事例としてBBCの「iPlayer」というサービスが紹介された。これは、英国BBCの放送番組が、翌日オンデマンドで視聴できるサイトだ。ユーザーはLive IDで管理され、友人と視聴番組のリストなどを共有できるものだ。アドレス帳によるソーシャルグラフ化、人気投票やお気に入り情報によるレコメンドやプッシュサービス、直接の視聴データ収集など、ユーザーやサイト運営側にもビジネスモデルの可能性のあるサイトだ。Azureとは直接的な関係はないが、これもマイクロソフトのクラウド戦略(おもにコンシューマ系)の一つといっていいだろう。
そして、この講演で発表となったこととして、日本でのAzureの先行採用企業として、東証コンピュータシステムとグレープシティの事例が紹介された。東証コンピュータシステムでは、大規模オンラインストレージをAzure経由で、社内システムや取引先システムとの連動を行うという。グレープシティは学校向けのASPサービスをAzureによってスケールアウト(大規模化)に対応できるようにするものだ。
Windows Asureの今後
最後に、大場氏が今後のロードマップとして、2009年中ごろまでに既に公開されているCTP(Community Technology Preview)のアップデートを行い、価格やSLAを発表したいとした。商品としての展開は未定だが、2010年前後になる可能性を示唆することで基調講演を終えた。

【関連リンク】
・マイクロソフト
・Microsoft tech・days Japan 2009
・PDC2008
